【努力賞】
【テーマ:仕事をしたり、仕事を探したりして気づいたこと】
仕事を探して気づいたこと
静岡県立磐田農業高校  神谷優希  18歳

私は中学生の頃、ある本を手に取った。それは、多くの職業が簡単に紹介されている職業一覧本だ。職種ごとに分けられていて、厚さ4センチほどにもなる。その頃、様々なことに興味があり、就きたい仕事がこれといってなかった私は1ページから見始めた。全てを読みつくしたわけではないが、そこには本当に多くの職業がありとても驚いた。私の知らない職業も当然のようにある。仕事は一つの職から、それを支える仕事、それを管理する仕事など無数に広がっていくのだと知った。そしてその全てが、人々の暮らしを支えていると思った。人の命に関わる仕事も人の娯楽のためにする仕事も日々の暮らしの向上に繋がっている。

今、私は高校生だが、まだはっきりとした進路が決まっていない。その原因はやりたいことがないことにある。他の人に紹介してもらった職もあまりピンとくるものがないのだ。進学をして部活動を続けたいということは決まっているが、大事なのはその先だ。そんな時中学校で見たその本のことを思い出した。その本に教えてもらったことは二つ。可能性は生活のいろんな場面に落ちていて、それを拾うかどうかは自分次第ということ。そして、視野を広げておくことが大切だということだ。

たくさんの人がいる中で、自分には何が向いているのか考えた。そして、人と関わってなにかを教えられる仕事に就きたいと思うようになった。世の中は役割分担で成立している。人前に立つのが苦手な人もいれば好きな人もいる。私はどちらかというと人前に立って引っぱりたいタイプで自分を評価されたいという気持ちが強い方だと思う。女性でそう思う人は多くはないのではないか。だからこそできる仕事を探した。そして、体育教師とトレーナーに興味をもつようになった。幼い頃からスポーツをしてきたので、体育の授業でもお手本を見せたり、クラスメイトに動き方を教えたりすることが多くあった。自分自身体を動かすことが好きで自信をもっていた。高校生になってからも部活動の時に自分が続けてきたものや自分が得てきたものを後輩に教える機会が多くあった。周りからもその姿勢を認めてもらったこともあり少し希望が持てる気がした。

私が考える働くということは、たくさんの人がたくさんのバラバラの仕事を役割分担してまわっている、この社会全てのことをいうと思う。ある電気会社が自社は当たり前を作る仕事だとコマーシャルで言っていた。当たり前ということは、毎日使っているのにも関わらず、大抵の人がその仕事があることにすら気づいていない。どんなことをしているのかも具体的にわからない。すなわち、接客サービス業などの日々感謝の言葉をもらえる仕事とは違い、裏方で、しかし、国を支えている仕事というわけだ。

私はどの職業も本当にすてきな仕事だと思った。一番最初に述べたように日々の暮らしの向上に繋がっているからだ。

私は私にできることをする。だから、体育教師やトレーナーになって、男の人が多い業界で女性の私にできることを探していきたいと思う。

戻る