【佳作】

答えは一つじゃない
浜松市立高校  室内樹里  18歳

私は、以前「働くこと」について、「ただお金を稼ぐため。生活していくため。欲しい物を買うため」と考えていました。

そして、現代の社会での「働くこと」に目を向けると、「労働時間に応じた給料ではない」「育児と仕事が両立できない」など、マイナスな面がたくさんあります。

そうした中で、「働くこと」に関する私の考えが変わったのは、高校で、一人の先生との出会いがあったからです。私はその先生からソフトボールを教わりました。先生は、生徒と本気で向き合い、幅広い知識を持って堂々と仕事をしています。その姿を見て、私は「この先生を越えてみたい」と思い、高校で体育の教員になることを決めました。

私は、教員になる前に、どうしてもやっておきたいことが三つあります。

一つ目は、アフリカへ行きソフトボールを教えることです。現在、私の中でアフリカと日本は、ワクチンや、貧しい人々に物を与えるなど、医療的な面で繋がっているイメージしかありません。さらに交流を深め、アフリカ全体、アジア全体、世界全体を繋ぐことはできないか。私が出来ることは、ソフトボールを通して人と人を繋いていくことだと思います。

二つめは、性別、年齢や、障害の有無に関係なく、スポーツを楽しめるような取り組みをしていくことです。何か、自分の中で抱えていること、人と違う所があると感じてしまい、心のドアを閉じてしまう人がいると思います。そうした人たちの心のドアを、スポーツを通して開いていきたいです。

そして、三つめは、2020年の東京オリンピックに様々な形で関わることです。選手として出場することもすごいことですが、私は、競技運営に関わることもすごいことだと思います。外国人やパラリンピック選手と交流することでもっともっと自分の知らない世界を感じることができるでしょう。このように、世界に行き。目で見て、耳で聴き、体で感じ、日本では経験できないことを経験する。この経験を生かし、ただ技術や正しい知識を教えるのではなく、生徒たちに「スポーツってこんなところまで繋がっているんだ!」と思ってもらえるくらいの専門的知識を増やしていきたいです。

最後に、私が高校の体育教員になったら、生徒にスポーツの楽しさ、スポーツが持つ役割や力を伝えていきます。実際、スポーツを好きな子がいれば、嫌いな子もいます。好きな子は自然と楽しいと思うかもしれません。一方で、嫌いな子に対して、私は、まず「自分もできる!」ということを一番感じてもらいたい、ルールの制限をなくしたり、自由にやらせたりすることで、スポーツの楽しさを知ってもらいたいです。

また、スポーツが持つ役割、力について、今私たちは、当たり前のように体を動かしますが、日本でも、世界でもスポーツができる国、できない国、できる人、できない人がたくさん存在しています。その人たちにとってスポーツがどのような意味を持つのか。これは、自分で体験して、自分の口で生徒たちに伝えていきたいです。

「スポーツ=体を動かす」というのではなく、答えはいっぱいあります。いっぱいあるからこそ、みんながずっと楽しめると思います。

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