【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事探しを通じて気づいたこと】
働きやすい社会へ
大阪府  奥 田 歩 実  18歳

私は今、仕事を探しながらフリーターをしています。中学生の時に不登校になり、高校は通信制の高校に行きました。高校在学中にやはりみんなと同じように通学してみたいと思い専門学校に進学しました。ですが、やはり毎日の通学や長時間授業を聞くことがきつく、1か月後には行けなくなりました。

これだけ聞くと私のことを甘えた人間だ、これだから最近の若者はと思うでしょう。でも私は言わせてもらいます。私は、決して甘えているつもりはありません。勉強は好きですし、できることなら私も皆みたいに学校に通い正社員を目指したかったなと思っています。

私には起立性調節障害という血圧の病気と発達障害の傾向があります。血圧が上がりにくく立ち眩みや、めまいをよく起こします。人より疲れやすい体です。そして、発達障害の傾向があることも中学生の時にわかりました。ここで発達障害ですというのではなく、傾向があるという言葉に引っかかった人がいるでしょう。私も最初に医者から聞いたときはどういうことですか?となりました。この傾向があるというのは、症状は発達障害ですが、診断基準を満たしてないので傾向があるというそうです。

そんな私ですが、最近金銭的に働く必要が出てきたため仕事を探し始めました派遣やパートなどで勤務時間が短いものを探しました。

もともと資格取得が趣味でビジネスマナーやパソコン関係、福祉の資格などを持っています。バイトでしたが、接客も経験しましたし、工場のライン作業も経験してきました。なので、何かしら見つかるだろうとそう思っていました。しかし、なかなか働き口が見つかりませんでした。

その理由の一つは面接時に、私は自分の病気や障害のことを伝えるからでしょう。なぜそれなのに伝えるのかというと、一緒に働いている人が困るのが嫌だからです。いざ私が倒れた時やパニックを起こしてしまったとき、どう対処すればいいか分からないのは困ると以前言われたことがあるからです。

そして、『障害』という言葉を聞いただけでいやな顔をする人も少なくありません。

「うちじゃなく、障害者枠があるところに行けば?」

と言われたこともあります。

ですが、私は発達障害の傾向があるのであって障害としては診断できない『グレーゾーン』にいます。傾向があるだけでは障害者枠は利用できません。

診断がつかない自分は甘えているのではないか、何度もそう思い自分を責めました。けれど、診断がつかないからと言って、私がしんどい思いをしていることや、人より苦手が多く生きづらさを感じていることに変わりはないです。

仕事探しを通じて、発達障害の傾向を持った人たちが活躍しにくい社会だと実感しました。

この作文を通じて、私のように働きたくても働ける環境がない。そんな、障害のグレーゾーンに苦しむ人たちの存在をまずは知っていただけると嬉しいです。

戻る