【 佳   作 】

【テーマ:仕事探しを通じて気づいたこと】
アイデアで世界を変えよう。
東北芸術工科大学デザイン工学部企画構想学科  天 野 豪 紀  20歳

僕の仕事を通じて叶えたい夢、それは地元を今よりも元気にすることが僕の夢である。

「アイデアで世界を変えよう。」この言葉は、僕の通う山形県にある東北芸術工科大学の企画構想学科が掲げているスローガンだ。僕の好きな言葉できっと僕がこれから仕事をしていく中でずっと目標にしていく言葉だろう。

僕が所属している企画構想学科とは商品開発、イベントプロデュース、広報・PRや地域活性化など主に「企画」を専門分野として学ぶ学科である。将来、僕は広告代理店でバリバリの広告マンとして働きたいと思っている。

そんな僕はよく驚かれることがある。鹿児島出身なんだね、と。そう僕は鹿児島県の大隅半島に位置する鹿屋市の出身で大学進学を機に山形に住むようになった。九州の文化とはまた違う東北の文化に触れて約2年、僕の心情にある変化が起こった。地元という言葉すら興味のなかった僕がいつの間にか地元を好きに、そして誇りを持っていた。ふとこの気持ちの変化はなぜなんだろう、と考えてみた。一つの答えとして浮かんだことは、山形の色々な市や町を訪れ、そこで出会う人々が自分の生まれ育った場所に誇りを持ちながら “自分の為” ではなく “地元の為” に活動をしているのを見て憧れを抱いたのかもしれない。あるいはそれは羨望でもあるのかもしれない。そのような人たちと関わって以来、僕も培った仕事のノウハウを生かして地元の為に何かをしてあげたいと思えるようになった。

僕が18年間生まれ育った鹿屋市のある大隅半島は、人口28万人を有する半島だ。ほとんど駅がなく車かバスでの移動が主となっており、ほぼ全域が過疎地域へと指定されている。また県庁所在地の鹿児島市や指宿温泉で有名な指宿市のある薩摩半島と比べると全国的な知名度も観光客の多さも及ばない。しかし大隅半島には他の地域には知られていない魅力的な部分が沢山ある。その部分をもっと多くの人に知ってもらいたい、知ってもらうことが大隅半島の認知度に繋がり観光客が増え、活性化に繋がると僕は信じている。

文頭で僕は「広告代理店で働きたい」と言った。広告代理店では多様な種類の商品やサービスが抱えている課題を解決するために日々取り組んでいると聞いている。もし僕が広告代理店に就職することができたならそこでアイデア発想力や課題解決力、企画力など多くのことを学びそれを地元に持ち帰りたいと考えている。なぜならそれらの力は他の観光地との差別化を図る際に本当に重要な力だからだ。

大隅半島のいいところを日本全国に発信する、そして地元を今よりも元気にする。それは僕の仕事を通しての夢であると共に、九州の端から東北の大学へ入学させてもらった親への僕からの親孝行でもあると言える。まだ地元で何をしたいのか、イベントかPRか、それとも大隅半島の特産品を用いた奇想天外な商品を開発するのか、全く決まってはいない。でも僕のこの夢だけはずっと胸に秘めておきたい。そうすればいつかきっと素晴らしいアイデアを思いつくことができると信じている。アイデアで世界を変えよう。でもまずは、僕の地元から。

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