【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事を通じて、こんな夢をかなえたい】
日本の音楽企業から世界へ
日本大学商学部 矢田部 日 菜 18歳

私の将来の夢は、音楽関係の企業に勤め、音楽を広める手助けをすることだ。

私は、幼いころからピアノを習っていた。また、クラシック音楽や流行の曲、自分が好きなアーティ ストの曲を聴いて、口ずさんでいた。そのため、自分の生活の中で、「音楽」がないことが考えられな かった。しかし、このときはまだ将来、音楽に関わる仕事がしたいとは考えてもいなかった。

私が将来、音楽に関わる仕事をしたいと思い始めたのは、東日本大震災を経験してからである。楽し く幸せだと感じていた日々の生活が一変した。家の中は物が散乱。水道が止まり水を使うことができな い。余震が毎日のように続く。さらに、原発からの放射線により外で遊ぶことに規制がかかった。当たり前のことが当たり前にできなくなったことが辛く、悲しかった。そんなとき私を支えたのが「音楽」 だった。今までは、何気なく聴いていた音楽だったが、震災後は自分の心を明るくし、元気づけてくれるものに変わっていた。それから私は、音楽と人との懸け橋になり、世界中の人を元気にしたいと思う ようになった。しかし現在の音楽企業は、世界的にも市場が縮小している。

理由の一つは、スマホやSNSの普及である。様々な音楽配信アプリでCDを買わなくても音楽を聴 くことができるようになった。これは、CDを販売して利益を得る側にとって、悩まされる問題である。

しかし、SNSで知ったアーティストに興味を持ちCDを買う人や、SNSで有名になり、デビューする人もいる。さらに、スマホのアプリを使って世界中で有名になり、多くの人に元気や勇気を与えている人もいる。そのため、スマホやSNSの普及のすべてが悪いことではない。私は、スマホやSNSが普及する今や、音楽企業はそれらを利用して音楽を広めていくべきであると考える。SNSでCD販売の 知らせ、所属アーティストの紹介や宣伝、企業が運営する音楽アプリを作るなど多種多様に使っていく べきだ。さらに、一部のアイドルが行っているような、CDに特典として、握手会やハイタッチ会、ミニコンサートのチケットをつける。また、CDにミュージックビデオやドキュメントのDVDを付属品 としてつける。これは、CDの売れ行きを伸ばすことに繋がるいい方法である。

私が勤めたいと思っている会社では本社移動に伴い、従来のオフィス環境のように社員が固定席を持 たず、業務の内容や状況に応じて空いている席を使い、仕事を行う「フリーアドレス」といったものを取り入れた。「フリーアドレス」を行うことでコミュニケーションの活性化が図られ、同部署の人のみならず、他部署の人と交流できることから、多種多様の意見が出る。従来の考えに執着し続けてはならな い音楽業界には、良い案だと思う。

このように、社内から改善していくこともSNSが普及している現代に、音楽市場が残る一つの手だと私は考える。

世界には、私が経験した大震災の被害よりも過酷な被害にあった人が多くいる。その人たちに音楽で、少しでも元気になってもらいたい。なんとなく、音楽を口ずさんでほしい。音楽がなくなることはないと思うが、音楽を配信する企業が少なくなることは、予想がつく。それを防ぐためにも、音楽企業は従来のビジネスを、SNSを活用した現代のビジネスに変える必要があると考える。世界規模で音楽市場が縮小しているため私は、自分が仕事をする立場になったとき、このような企画を会社に提出し、世界中の人に音楽で元気になってもらうという、夢を実現していきたい。

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