【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事を通じて、こんな夢をかなえたい】
マイ ウェイ
若い根っこの会 町 田 敏 子 56歳

私には日本文化を世界の人々に伝えたいという夢があります。

今までに10カ国の国々を旅し、現地の方々の文化や人間の優しさに触れて、是非今度は、日本文化を 海外の方々にもお伝えしたいと感じました。また、日本各地を旅していく中で出会った、各地の歴史や 伝統を守られている方々との交流を通し、互いに刺激しあうことで、奥深い日本文化をこれからの時代 を担う若者や海外の方々にも伝えていきたいと考えています。

しかし現実は、10代から50代前半までは、仕事と家事・子育て、子供の学校の役員・古い家の伝統や つながりを守りつつ、嫁や妻としての役割があり、時間との戦いでした。そのため、気分転換としての 旅行は現実逃避のための旅行となっていました。しかし海外を旅する中でも、日本人として自分を感じ ていました。そのため、奥深い日本文化を学ぶため、時間のやりくりをし、生け花の「小原流家元」や、 着付けの資格を取得し、茶道の「裏千家」を学びました。

時間をかけて身に付けたことも、やらなくなると、全て忘れてしまいました。ただ、日本文化が好き、 着物が好き、お花が好きという感情だけは無くすことなく、心の奥に残っていました。

平凡な日々の中、3人の子供達が大人となり、一人づつ社会人として家を出て行くようになり、喪失 感を感じ、苦しみました。今まで張り詰めていた気持ちが、ポキっと折れた音が聞こえるがのようでし た。仕事のない休日に農作業や庭の草刈りがあると分かってはいても、やる気が出ず、布団から這い上 がれない日々が続きました。まるで、「ぐうたらママ」そっくりです。若い頃、毎日が目まぐるしく、新 聞に載っている「ぐうたらママ」が理想よなんてジョークを言っていたのに、50代半ば過ぎて体の不調 が出てくると、自然と「ぐうたらママ」になっている自分に失望しました。

ある日次男から、主人と私に対して、改まった様子で相談されました。

「そろそろ日本ではオリンピックがあり、この広い部屋が使われないままでいるのはもったいないよ。

誰かの役に立たせよう。そのためには、レンタルスペースとして貸し出すのがいいと思うんだけど... etc」

突然のことで、最初はビックリしました。主人は、

「他人が家に入るのは嫌だ!」と、常々言っていましたが、次男が、

「古民家がこのまま朽ちるのは見たくない。大学時代から考えていたことで、卒業後4年間社会に出て勤める中で、自分は自然が好きだし、人との縁を大切に、この家を守りたい。」との言葉に、主人の心 は動かされ、老いては子に従えだなと、この子に託せば、古民家も、ご先祖様も喜ぶだろうと賛成しま した。

私は、古民家であるこの家に嫁ぎ30年、生活するには広すぎる家、掃除が大変などの、マイナスイメージしかなかったが、次男の話を聞いているうちに、この家は、広く涼しく、純和風と感じられ、高すぎ る税金、修繕ばかりしてきた家を30年守り続けて本当に良かったと思えるようになりました。

現在、我が家はレンタルスペースとして、自宅、庭、竹林をなどを解放しています。外国の方、日本の方、全ての方が笑顔になれる場所にしたいと思います。「春皐園」として、外国の方、日本の方、全て の方にしたいと思います。

実際に、餅つきや、ホタル観賞会、浴衣を着ての花火、流しそうめん、バーベキューなど、様々なことに使っていただいています。さらにこれからは、日本文化を伝え、体験できる企画を開催していきま す。

日本には「書道」「華道」「茶道」「柔道」「剣道」等、大切な「道」が沢山あります。私が今まで学んできた日本文化を、外に向けて発信していく段階に来ているのだと、確信しています。

私の一生、「マイウェイ」は、この奥深い日本文化の「道」を海外や日本の方々に、分かりやすくお伝えすることだと思います。本年スタートした新たなレンタルスペースの仕事を通じて、日本文化を身近 に感じてもらうことが、私の叶えたい夢となりました。

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