【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事を通じて、こんな夢をかなえたい】
精神障害者の希望の星になる
広島県 詫 間 奈 美 44歳

私は現在44歳。この人生の中で働いた年数は、11年くらい。長い人生を歩んでいる割に働いた年数が 短い。それは、長い入院生活と療養生活があったからだ。

私は8歳の時、心の病になった。でも、頑張って平気なふりをして過ごした。健常を装い仕事もした。

けれど無理は続かない。とうとう、心身共にどうにもならなくなったのだ。

私の目標としては、社会の第一線でバリバリ働くことだった。けれど精神障害者となった私には叶わ ぬ夢となった。たくさん考え、思い悩んだ。そして最近ではあるが、やっと “働く” ということに答え が出たように思う。そして、壮大な夢ができた。

現在は、家族や主治医他、様々な人たちの支えで、症状は出るものの、元気に生きていることができる。

数年前までは、障害を企業に伝え、いわゆる障害オープンという形で仕事をしていた。けれど、様々な事情で辛くなり、3年半勤めたが、辞めてしまった。今は、障害オープンという形で、一般就労をする ことを目指し、就労移行の施設に通所している。

できるだけ長く、キラキラ輝いて働けるよう、自分を見つめ、その他様々な訓練を受けている。そこでは、私の想う理想と現実の違いにどうしようもない挫折感を覚え、半分ヤケになったこともあった。

けれど、今は違う。自分の人生の使い方に焦点をあて、勤務時間や、就業先の場所を主に考えるようになった。それというのも、仕事がいくら充実していても、プライベートが台無しでは元も子もないか らだ。

仕事はキラキラ輝いて行い、プライベートもしっかり満たそうという訳だ。私はゆとりをもたせ、死ぬ時に後悔しない人生を軸に考えたのだ。

職種や働き方は様々だ。しかし、精神障害者の私は、私が頑張ればできる範囲で、尚かつ受け入れてくださる企業に就職を考えないといけない。時には、健常で自分の努力のみで自分の好きな仕事に就け る人をひがみたくなる。けれど、そのようなことでは前に進めなくなる。“仕事は、キラキラ輝いて行い” と前述したが、それは私の目標の1つだ。それと同時に、私が仕事をすることにより、社会に少しでも 貢献したいのだ。

私は、働けるまで心が安定し、生きることに喜びを感じることができるほど良くなったことを、大変ありがたいと思っている。だから、元気になった私が、ご恩返しをしたいのだ。そして、他に苦しんで おられる “精神障害者の希望の星になりたい” のだ。

“希望の星” というと、何やら大げさに感じられるかもしれない。しかも、私の小さな力では大きなことは成し得ることはできないだろう。でも私は信じている。精神障害者の私が一生懸命働くことによ り、しかもキラキラ輝いていれば、必ず何らかの良い影響を与えられるはずだと。

私は働くことに対し、ずっと憧れを抱いていた。そして、働いている時は喜びを感じた。精神障害者の私が、生きた証を残そうと思ったら、別に仕事というものを使わなくても、生きた証は残せるだろう。

しかし、私は “仕事” も生きた証を残すための1つのアイテムとしたのだ。

弱いところがたくさんある私は、一体どれくらいの仕事をこなせるのだろう。でも私は決めている。働く際は、キラキラ輝いていようと。そして、どのような仕事でも、一生懸命取り組もうと。

こんな私でも、頑張っていれば必ず誰かの力になれるはず。仕事を通して、私は輝いて生き、そのおすそわけを、誰かにできたらとてもありがたいと思う。

だから私は、“精神障害者の希望の星になる。” という壮大な夢をもっている。

戻る