【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事をしたり、仕事を探したりして気づいたこと】
感謝はどこでも通用するスキル
京都府 白 川 譲 41歳

世の中には、多くの仕事があります。我々の目につくところでは建設業、建物清掃業、解体業など。

私も毎日のようにスーパーやコンビニのお世話になっていますし、そうしたお店では売り子さん以外に も様々な方が活躍されています。駐車場のガードマンや大きな会社のロビーの受付係もよく目にします。

また新卒で就職活動をする方は、年収や得られるスキルから業種を選ばれると思いますが、金融業や証 券業、IT関連などが就職したい上位に入る方もおありでしょう。

ひとつの職場で長く働きたい、同じ会社でスキルを磨いてスペシャリストを目指したいという方もい れば、必要なスキルを身に着けて転職したいという方も多いと思います。私のように大したスキルのな い人間のところにも、転職斡旋メールがたくさん届きますし、広告その他から転職市場は活況を呈して いることがよくわかります。

しかし、新卒で働くにしても転職するにしても、一つ使えるスキルを持ちたい、どこででも通用する スキルを持って自信をつけたい、という方は多いのではないでしょうか。特に、収入の多い会社を選ん で転職したがいきなり責任の重い立場を任された、というような方には「うまく行ったけどどうしよう ...」といった思いがあるのは事実かと思います。

仕事の進め方も、社風も短期間で吸収した、しかし何か不安だと思う場合、その不安にどうやって対 処すればいいのでしょうか。新卒では大卒の3割が3年以内に退職しますし、既卒ではミスマッチも目 立ちます。パソコン、財務諸表の見方、法律関係の資格、タイムマネジメントなど、これらは短期間で 身に着くスキルではありません。単純作業は数年のうちにAIが席捲し始めるでしょうし、そうなると 絶対に自信のあるスキルはなかなか難しいのではないでしょうか。

しかし、どの会社でも使える、本当に汎用的なスキルがあります。それは「感謝の気持ちを表すこと」 です。

私は発達障害があり、障害特性が明らかになるまでスピードや業務内容についていけずに職を転々と しました。その中で、ある上司の方から「語尾に『ありがとうございます』とつけなさい」と指導して 頂き、実践してみることにしました。そうすると、相手の方からも感謝して頂くことが増え、障害特性 が明らかでないので相変わらず仕事ができないながらも、続けていける年数が増えたのです。「ありが とう」と言われて、いやがる人はいません。何かしてもらったとき、私が「ありがとう」と語尾につけ るたび、周囲の雰囲気は少しですが明るくなりました。障害特性が判明して今の職場に変わってからも、 私は語尾に「ありがとうございます」とつけるのを慣例化しています。これにより、多少ミスをしたと きでも大事にならず、仕事での人間関係もスムーズにいきます。「ありがとう」と語尾につけるのにコス トはかかりません。時間もわずかで済みます。そしてどのような職場でも喜ばれ、長く仕事を続けてい く上での助けになります。

今の時代、ある程度の資格は皆が持っていて当たり前になり、働く人全体の学歴水準も上がってきて います。知らない業務知識もインターネットで調べられる時代になりました。その中でどこででも気に 入られるためのスキル「感謝」を身につけて、あなたも仕事をもっと楽しくしてみませんか。

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