私は今、胸を張って幸せだと言える。なぜなら自分は本当に好きでやりがいのある仕事をしているからだ。
20代の頃は何度転職を繰り返してきたかわからない。それこそ一週間しか続かなかった職場だってある。ただ出勤しているだけで、上司からのパワハラに遇い窓際族のような日々を過ごしたこともある。それを思うと、ただ働く場所があるだけでも幸せなのだと言える。
でも今は単なる居場所作りや生活費を稼ぐためだけのモチベーションとは違う。そう私にとって今している仕事は生きがいそのものなのだ。
ウェディングモデルになることは20代前半の時から私の夢だった。そのために高額なレッスン料を払いモデルスクールに通った時期もあったが、その時結局夢は叶わなかった。
私は身長も低く、年齢を重ねる度にもう夢は届かないのかなと、諦めかけてた矢先、ダメ元でいろいろなホテルや結婚式場に電話をかけウェディングモデルを募集していないか問い合わせてみた。そして某結婚式場に履歴書を送った所、ついに連絡が来てウェディングモデルに採用された。
その時、長年の夢だったウェディングモデルの仕事ができるという嬉しさと私なんかにモデルが務まるのかという不安でいっぱいだった。しかし、キレイにヘアメイクをしてもらいウェディングモデルを着てみると、ただ自然に笑顔がこぼれ幸せな気持ちになれた。これから新郎新婦になるお客様の前に立ちバージンロードを歩くのを想像すると、とてもわくわくして胸の鼓動が止まらなかった。そして衣装室から出て会場内のお客様とすれ違うと「キレイですね」と度々声をかけられた。
私は本当に幸せな仕事をしているのだと実感した。同時に仕事とは自分のためでなく人のために存在して
いるのだと強く思った。私の役割とは、見に来てくださったお客様に結婚式の素晴らしさを伝えていくことだ。それは真心と最高の笑顔を常に絶やさないこと、心をこめて見本となる結婚式を施行すること、それが私のいただいた役割である。こんな素晴しい役割をいただけて誇りに思う。
その結果、見に来てくださったお客様からも「式を見てすごく感動したよ」という言葉をいただいた。また会場のスタッフさんからも「またぜひ来て欲しい」という連絡を度々いただいている。その言葉が何よりも嬉しい。それこそ仕事のやりがいである。笑顔って人に伝わっていくものだと実感した。
私は今、天職に出会えた。夢が叶った喜びはもちろん、心をこめて仕事ができる環境があること、そしてこの仕事を通じて人に幸せな気持ちを届けられたことを誇りに思う。仕事において一番大事なことは、精一杯心をこめることだと改めて学んだ。