私が今働いている職場は女性がほとんどで、同世代の若手の男性が少ない。また既婚者が多いので、小さな子供がいらっしゃる方も多い。そのため産休や育休だけではなく、子供が熱を出したということで急きょ早退されることもよくある。その他にも職場のなかでは一番年下ということもあり、力仕事や雑用を頼まれることも多い。このような職場で働くことを通じて、私は多様性、ダイバーシティを受け入れることについて学ぶことができた。ダイバーシティを受け入れることについて学んだと書くと大げさに感じてしまうが、社会人として働き始めてから見える視点、考え方が変わったことは本当だ。
まず自分の行動が相手に与える影響が大きいことを学んだ。早退で申し訳なさそうに帰宅される方に「お疲れ様でした。」と笑顔であいさつをしていた。特に深く考えてはいなかったが、後日ふとしたときに気持ちが楽になったと感謝された。早退することに対して良い顔をされる方ばかりではないので、後ろめたい気持ちがあったそうだ。そこから普段の生活でも家族連れに対して、より優しい対応ができるように私の行動が変わった。また親との会話も私が変わると違う話に聞こえてくるようになった。私の相づちが変わることで、自然と会話も弾むようになった。
次にいつも誰かの思いやりを受けていることに気が付いた。私は仕事でエレベーターの中にある張り紙やイベントの時に道案内の看板を設置することがある。どのように張れば注目して見てもらえるのか、どこに設置すればわかりやすいのかを相手の立場を想像して考えていた。その仕事の後にある商業施設に行ったときに、張り紙や看板に注目してみると、多くの人にとってわかりやすく感じてもらうためにすごく考えられていた。誰でもできるような仕事でも、誰かのためにする仕事なので、少しでも相手のことを気遣う気持ちがあれば、より良い結果につながると強く感じた。
もちろん学生時代の勉強は大事で、もっと勉強しておけばよかったと思うことも多いが、それよりも社会人として働くことの方が学ぶことが多いと私は思う。私は仕事をしているときも休日も、相手の立場になって考える意識をもって生活するようになった。そして少しの気遣いでお互いが気持ちよく過ごすことができればいいと思う。また、たとえ空回りしていてもその気遣いしようとする姿勢が伝われば、より良い関係を築くことができるのではないだろうか。今後の変化が多い世の中では多くの人にとって多様性を受け入れることが必要になるかもしれない。私は多様性を受け入れると聞くと難しく感じていたが、今は相手のことを思いやるという意識があれば乗り越えることができるのではないかと考えるようになった。今まで働くことを通じて学んだ、相手を思いやる気持ちを仕事でも普段の生活でもより意識して行動し、多様性を受け入れることができる人間に成長していきたい。結局社会は人と人の繋がりなのだから。