【 努力賞 】
【テーマ:働くこと・職探しを通じて学んだこと】
様々な価値観へチャレンジし続けること
香港  島 田 智 樹  26歳

私は香港で働いている。

香港は中国の南部に位置しているが、純粋な中国の一地方ではなく、1997年まで英国領であった。現在も期限を定めた上で当時の制度を一部残す特別行政区である。そのような背景があるため、公用語は中国語(広東語または北京語)と英語の2言語または3言語にわたり、経済も他の地域とは異なる発展を遂げている。

そのような環境の中で、私は日々香港のローカルスタッフと共に仕事を行っている。彼ら、彼女らは当たり前のように公用語の2か国語あるいは3か国語を操り、日本語も含め4か国語を話すことができる方も多い。また、とても向上心が強く、業務終了後に専門知識を習得する塾に通う人も多い。新たな知見を得たり資格を取得したりすることで、業務領域を拡大することに余念がない。同じプロジェクトに参加している15歳程年上の先輩は、25歳くらいの時に日本語を習得するため単身で言葉のわからない日本に移住し、仕事をすることで日本語を習得していった。その後さらにヨーロッパでもキャリアを積み、香港に戻って仕事についている。

私は自己を高めるために、そこまでの挑戦を行い続けているだろうか。現在の職場は、多くの刺激を得られる環境である。また、彼らが日本に対して尊敬の念を持っていることを一人の日本人としてとても誇らしく思っているが、日本人として恥じないような努力をしていかなければならないとも感じている。

一方で、日本人が強みとする細やかさや正確さ、気配りといった点は、世界に誇れるものであると感じている。相手のすばらしさを知ることで、またこちらの良い所も改めて知ることができている。

これまでを振り返ってみると、海外での勤務に限らず、仕事を通して多くの価値観に触れてきたと感じる。学生時代は、似た地域で育った同年代の仲間と、同じような価値観の共有に終始してしまっていたが、社会に出ると年齢、性別をはじめ多くの点で異なる方と接点を持つことが多い。家庭を守りながら仕事を一生懸命に行う女性の方が多い職場、男女問わず遅くまで仕事に邁進する方が多い職場、その他多くの環境があった。

仕事とは、他の人のために貢献し、対価を貰うことであると考えている。多くの価値観を知ることができれば、より多くの人へ貢献できることを想像する力が増していく。そして、大きな付加価値を生むことができるようになっていく。もちろん異なる価値観の人と交流することは、大きなストレスが伴い、辛いことである。それでも、チャレンジし続け、学び続けることは、より良い仕事をすることへつながっていくと考える。自分自身、今後も不断の挑戦を心掛けていきたい。

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