【 努力賞 】
【テーマ:働くこと・職探しを通じて学んだこと】
ミスとポジティブ
東京都  田 口 翔 平  25歳

 「田口君はミスが多い。注意力がないね」

今期に入り、何度この様に注意を受けたのかわからない。

私は、大東京信用組合という金融機関に勤めています。金融機関は、お金を取り扱う業種だ。そのため、ミスが許されない。しかし、いつもミスをしてしまう。何かを見落とす。そうしたことがとても多い。しっかりとチェックをしたつもりでも、どこかに間違えが隠れている。上司から注意を受ける。毎日がその繰り返しだ。

 思い返すと、学生時代から注意力がないと親や教師によく注意された。通信簿にもよく書かれた。「昔から変わらないのだから仕方がない。」そんなことは言えない。私は社会人だ。お金を頂いている以上、責任がある。しかし、「もっと頑張れ、しっかりしろ。」そう自分に言い聞かせても、どこか心の中で「何だか合わない業界に入ってしまったな。」と思ってしまう。違う業界に行けば、自分はもっと活躍できるのではないかと妄想してしまう。

 注意力がないことは、紛れもない事実。これは、自分の特徴だ。どこに行っても、何をしても付いて回ることなのだ。考え方を変えなくてならないと思った。「これを克服すれば、自分はもっと成長できる。もっと良い自分になれる。」そうした考えに転換することにした。私には、良いところが沢山ある。苦手なことを克服すれば、もっと良い自分に出会える。図々しい私は、そう思うことにした。また、苦手なことを克服しながら、お金を頂けるのだから、これほど良いことはない。むしろ、自分をパワーアップできる良いところに入れたとも思えるようになった。

 こうして考え方を変えてから、少し前向きになった。仕事に対する姿勢も変化した。ミスを無くすためには、焦りは禁物。スケジュール管理が不可欠。そのためには、事前の準備が必要だ。より良くするためには、何が必要で何をすべきなのか考えるようになった。  

 出来ない自分と戦う日々は続いている。より良い自分に出会いたい。私は前向きに頑張る。出来ない自分と向き合う日々を過ごていく。

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