【 努力賞 】
【テーマ:仕事を通じて実現したい夢】
“バラの香りが広がるような仕事”をしたい
日本大学商学部  姜 楠  24歳

「仕事」そして「夢」――この二つの言葉に注目した。そして、私を大いに惹きつけた。その理由は、このテーマを見るまで、私にとって仕事と夢は同じのものだったからである。つまり「夢=仕事」であると考えていた。そのため、このテーマを見た瞬間私は少し驚いた。“えっ、両者は違うの?”と考えた。

 こんな好奇心を抱きながら、インターネットで“夢”というキーワードを入力し、検索してみた。さまざまな解釈があることに感心したが、その一つを以下に紹介したいと思う。

“夢という語は、将来実現させたいと思っていることも指す”と書いてある。「将来実現させた

いと思っていること」… あっ!「将来やりたいこと」というよりも「実現したいこと」なのか。

なるほど、そのとき突然、何かひらめくものを見たような気がした。

子供の頃、おおよそ誰でもこんな質問をされたことがあるのではないだろうか。それは“あなたの将来の夢はなんですか”という質問だ。私も同様である。子供の頃の私の答えは“科学者になりたい”“先生になりたい”“スポーツマンになりたい”などなど。換言すれば、私の夢はすべて「将来やりたいこと」であった。

では、自分が将来実現したいことは何か、と考えてみた… いや、考えるほどのこともなくある言葉が浮かんできた。それは、“自分の人生を楽しみ、そして他人に楽しんでもらう”ということである。自分の力を発揮することにより、人に対して何かの役に立ち、貢献できるのならば、そして喜んでもらえるのならば、これほど大きな満足感が得られ、幸せなことはないだろうと思う。

私は日本に留学してから、いくつもアルバイトをやったことがある。毎回お客様によいサービスを提供した後で、お客様のうれしそうな顔を見ると、言葉にならないほどの感動が得られる。その次も別の人たちに楽しんでもらう顔を見ると、同じく感動するのだ。

こうして他人の気持ちがやわらぐことを知って、自分の価値が証明できたと確信することができる。自分のささやかな行いを人に楽しんでもらい、その人がまた別の人を楽しませる。このような「正のループ」により、楽しさ、そして愛を多くの人に伝播することができれば、この世界は必ず愛に満ちた、美しさに満ちた平和な世の中になれるのではないかと考える。

自分は今、大学3年生であり、将来どのような仕事をするのかまだわからない。しかし、どのような仕事に携わっても、自分の存在価値をはっきり認識することができ、多くの人に対して自分の機能と価値が提供できるのであれば、何よりうれしいことであろう。

中国語では“バラの花を他人に贈っても、自分の手には香りが残る”という諺がある。他人に何かよいことをしたら、自分にもよいことがある、という意味である。“バラの香りが世界中に広がるような仕事”――これこそが私の実現したい夢なのだろうと思う。私はいつでもどこでも初心を忘れず、自分を楽しみ他人を楽しませるという願望を持ちつつこれから頑張っていきたい。

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