【 努力賞 】
【テーマ:働くこと・職探しを通じて学んだこと】
1年半で学んできたこと
東京都  河 崎 祐 樹  23歳

今の仕事に就き早一年以上経過しましたが、私はそれまで過ごしてきた22年間より濃密な時間を過ごせ、より色々なことを学ぶことができました。中でもとりわけ自分にとって大きな影響をもたらしたことを二つ紹介させていただきたいと思います。

 第一に、社会の成り立ちを学ぶことができました。営業職という仕事柄さまざまな職業の方々と触れあうことで、何気なく見過ごしてきたものがどうやってなりたっていたのかなどを学べました。小さな食堂を経営していくことの大変さ、不動産の売買等のやりとりにおける人の動き、物流業や建設業における人々の関わりなど、今まで当たり前のように思っていたものごとの裏にある人々の苦労、それに伴う喜び(非常に些細なことであっても、働いている当事者の方からすれば非常に大きな喜びであること)を知ることができたのは、自身にとって非常に大きな成果であったように思えます。また同時に、世の中全体を狭量な視点でしか見られていなかった自分を恥ずかしくも感じました。

 第二に、人々との心の距離の測りかたを学ぶこと出来ました。これまで厳格な上下関係や、提供者と顧客としての接し方などを何も経験していなかった私にとって、仕事としての先輩や上司の方々、またお客様との人間関係は非常に複雑で難解なものに感じられました。そんな中で、仕事を通じて様々な力添えをしていくことで、やがて職員とお客様としての関係を越えた信頼関係を築けたときは、本当の意味で他者と理解し合えたような心持ちになりましたし、そんな私のことを近くで支えてくださった先輩・上司の方々との信頼関係は一言では語りつくせないほどのものです。

 学生時代頻繁に言われ続けてきた「社会に出ることで大人になっていく」ということを、身をもって実感できている一年と数カ月を過ごしているように感じます。勿論楽しいことや嬉しいことだけでなく、辛いことや悲しいこと(自分の力不足から起因する歯がゆさ、もどかしさ等)もあるけれど、それもまた社会勉強の一端であると感じられ、ひとつひとつを自分の糧としていけていることがとてもよく分かります。働くことは他人のための奉仕であると思い仕事に従事していますが、それ以上に自分自身の成長にもつながっていることを日々理解しながらこれからも勤めていければと思います。

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