【 努力賞 】
【テーマ:仕事を通じて実現したい夢】
書道を通じて伝えたいこと
神奈川県  永 田 巳 奈  17歳

私が書道と初めて出会ったのは6歳の時で、それから書道は私の生活になくてはならない存在になりました。目の前にある作品だけに打ち込んで、その瞬間瞬間の精神状態でしか書けない「今」が映し出される書道は貴重なものなのです。だからこそ、その書道には自分で表現する楽しさがあるのだと思います。当たり前のように日々書いている文字ですが、少し美しく書いてみよう、少し落ち着いて書いてみようといった心持ち1つで、出来上がる作品に表れるものは全然違います。だからこそ、書の美しさや一文字一文字の中には書いた人の人柄やその人らしさが表れると思います。書道。それはただ字を書くだけではありません。文字とは、人間が記録を残す上で重要な役割を担っています。しかし、私たちは文字から愛情や優しさを感じることができます。人の手で書いた真心のこもった書が、1番人の心を打つということが言えると思います。逆に言うと、今のありのままの自分が表現できる作品という見方ができ、それが書道の芸術の書としての美しさや良さなのではないでしょうか。

私は将来、子どもたちに書道の良さを伝えていく仕事に就きたいと思っています。LINEやTwitterなどが普及した現代社会において、自分の書いた文字で何かを伝える機会はますます減っています。LINEやTwitterによるいじめの問題、そこには人が書いたわけではない字による冷たさというものもあるのだと思います。そんなSNS上でしか起こらない、パソコンの字から感じる冷たさ、それが近年のいじめによる自殺の問題にも少なからず関わっているのではないでしょうか。そんな問題がある今だからこそ、「今」を生きる子どもたちに、自分の字で相手に手紙を書くことがぬくもりや優しさを相手に与えられると知ってもらいたいのです。将来まだまだ可能性のある児童、生徒に書道を教えることで、技術だけではない、人としての優しさ、愛情、ぬくもりも伝えていけるような仕事をしたいと思います。

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