【 入 選 】
「農家になりたい」と漠然と考えた私は農業高校へと進学を決めました。小学校の頃から野菜や果物を育てることが好きでした。そのことを仕事にしたいと、ぼんやりと考えていました。
私は高校へ入学をするとすぐに、農業の厳しい現状を思い知りました。海外から安価な生産物が多く輸入され、小規模農家の経営が厳しくなり離農に追い込まれる農家が多くあるという現状や、私の家のように非農家から新たに就農をするとき、莫大な借金を背負う可能性があるということです。私は半ば農家になることを諦めていました。
二年生のときに、実際に農家へ行き作業の一部を体験させていただく機会がありました。私はキゥイフルーツ農家へ行き、剪定などの作業を体験しました。私が伺ったキゥイフルーツ農家では、キゥイフルーツの栽培だけてなく栽培した生産物の加工、販売もしていました。私はこのように六次産業化した農業が、今の農業の厳しい現状に対抗できる一つの手段だと考えました。六次産業化することで、生産から販売までのコストを抑えることができます。そして、六次産業化をした作物は付加価値の高い商品として販売できるようになり、海外の安価な生産物とも対等にわたり合えるになると思います。
私はこの体験を通じて、六次産業化をした大規模な果樹農家になるという夢ができました。そして地域の農産業を活発にして、新たに特産品として販売をしたいです。しかし私の家には土地も、農業を始めるためのお金もありません。そこで私は、地元の農業生産法人へ就職をして、多くのことを学びながらお金を貯め、50歳までに就農をすることが今の目標です。
農業は多くの困難のある職業です。しかし農業には無限の可能性が広がっていると思います。その可能性を現実のものにするためには、私たち若者の力が必要になると思います。私は今後の農業に大きな希望を持ち、この先に進んでいきたいです。