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【 テーマ:働くこと・職探しを通じて学んだこと】
仕事も学業も「厚積薄発」、そして将来の夢へ
日本大学商学部  魏 英  23歳

「厚く蓄積し、薄く発信する」(厚積薄発)という諺があります。どのような方面でもまだ能力不足の私にとって今一番やりたいことは、将来の夢を実現するためにまず厚く蓄積することだろう、と思っております。

この諺は中国宋代の文豪である蘇軾の『送張琥』のなかで「学ぶときは博く観て神髄を抽出し、蓄積を厚くして功を急ぐな」と見えるものです。私が今やりたいことは、アウトプット(発信)ではなく、まずはインプット(蓄積)です。こうした思いが生じた経緯は、こんな職場体験があったからです。

日本に来てしばらくの間、日本語学校に通いながらレストランで皿洗いのアルバイトをしていました。大学の入学金を貯金していたので、最初は時給ばかりが気になり、どんなに大変な仕事でも10円でも高いところへとアルバイト先を変えていました。工場、居酒屋、スーパーなど、それぞれのバイト期間は短いものでしたが、とにかくたくさん体験してきました。

しかし、その当時、時給だけを見ていた私は、何もできませんでした。そのうち、いくつかの職場を見る心の余裕が出てくると、場所によってかなり雰囲気が違うことに気づきました。それからというものは、お金を第一に考えるのではなく、職場が働きやすい雰囲気であるかどうか、そしてその過程で何を学ぶことができるのかを第一に考え、仕事を探すようになりました。

 大学に入ってからは、働きやすい雰囲気という前提から、コンビニのアルバイトを始めました。最初は「コンビニは簡単でラク」というイメージがあったので、働きやすいと思っていました。実際に働いてみると、大きな声で元気良くお客様に応対しなければならず、覚える作業も予想以上に多くあり、とても大変でした。しかし、大変だからこそ以前には全く気づいていなかった細かく大切なことが見えるようになり、スキルが向上し勉強になりました。

 一番実感したことは、チームワークの大切さと責任感です。仕事中に自分がミスをしたり、時間に遅れたりすると、職場のメンバーやお客様に迷惑がかかります。また、商品の発注、レジの残高計算、小銭の補充、金庫の管理など金銭に関する仕事も任され、責任の重さを実感するようになりました。ささやかな体験ですが、このことは今の仕事はもちろん、将来社会人になっても変わりなく重要なことであり、今後も必ず役に立つだろうと思います。

 また、コンビニというサービス業にとって、とにかくお客様が一番です。企業にお金を払ってくださるお客様に対し、いつでも感謝の気持ちを持ち、いつでもお客様を大切にできることは、結局は会社のためになります。そして、バイトの自分も会社の一員であり、会社のためにお客様に喜んでもらえるように努力することで、喜んでもらえたときに自分の喜びにもなります。こうして仕事に対するやりがいができたことは、自分を成長させたように思います。

 そのほか、どのような仕事でも同じでしょうが、迅速かつ丁寧に仕事をすることや、目上の人やお客様に対する言葉遣いの勉強などを学びました。

 さて、現在の私の本業は学生です。コンビニでのバイト経験は結局、勉強の尊さを私に教えてくれました。ましてや学生である私は今、当然ながら学問に励み、多様な価値観に触れ、自分を少しずつ高めていくことが大事です。試験の点数を取ることが目的ではなく、むしろ将来どんな職場に行っても活かせる能力を身につけることが肝心です。もちろん、将来実現したい夢がたくさんあります。だからこそ今は功を急がず、厚く蓄積していこうと思います。

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