毎年夏になると、町内の中学校から職場体験の申し込みがあります。職場体験は生徒が色んな職種、職場で働くことを通して、働く意味を知る学習活動です。保育園はとても人気らしく毎年希望者が多いとのこと。私の勤める保育園には笑顔のかわいい三人の女の子が職場体験にやってきました。期間は一週間、彼女達にとって長いか短いか?私自身とても楽しみです。なぜかというと、毎年やって来る中学生の中にはいろんな子がいます。元気で明るい子、人懐っこい子、おとなしい子、表情のない子など思春期でまた受験といった色んな悩みを抱えたりする年齢だと思います。普段受けている授業とは全く違う保育という世界で彼女達がどう変わっていくのかどう受けとめていくのか、保育士歴24年の私にはとても新鮮でワクワクした気持ちになります。私が担当しているクラスは2歳児です。わんぱくでいろんなことに興味津々な子ども達です。そんな子ども達に出会った瞬間、彼女達の第一声は「かわいい〜」と笑顔を見せてくれました。小さな子ども達にとってその笑顔は警戒心を取り除き安心感を与えるものでした。彼女達の良いところは指示をされなくても子ども達の中に入って絵本を読んでやったり、ごっこあそびを始めたりと保育でとても大切な遊びを自然としているところでした。子どもが好きという気持ちが行動にも表れ抱っこしたり、常に優しい笑顔で接しています。その中の一人の女の子から質問をされました。「大変なことは何ですか?どうしてこの仕事を選んだんですか?」など。そして最後に彼女は真剣な顔で「ピアノが弾けなくても保育士になれますか?」と。私は「なれるよ!あなたには保育士としての素質がある やりたいことをやればいい」と言葉をかけた途端、彼女は涙を流しはじめました。笑顔の奥では毎日を緊張して過ごしていたのだろうとその時気づかされました。保育という仕事は子どもの成長を見守りながら、命を預かるというとても責任のある仕事です。職場体験を終えたとき彼女には将来保育士になって力を発揮してほしいとメッセージを送りました。もし彼女が保育士になったら私は60歳、一緒に働けることを楽しみに体が続く限り頑張ってみようという気持ちにしてくれた彼女に感謝しています。