いらっしゃいませ、ありがとうございました。おはようございます。ご無沙汰。あんたが居てくれて今日はよかったわ。お久しぶりです。
気が付けば九年目。このお店が開店と同時に採用。ちょうど下の娘が保育所入所が決まり仕事を探し始めた時に見つけた張り紙、販売は全く未経験だった私でしたが子供に合わせて働けるのであればと、パートで働き始めましたが全く初めての経験ばかりで毎日が緊張の連続、マニュアル通りにできない接客に社員に怒られることもありました。でも働けるのは家族の協力と笑顔のおかげです。毎日必死でレジをしていた私に少しづつお客様が私に声をかけてくれるようになりました。その時気が付きました。お客様は百人いれば百通りの接し方があってもいいのではないかな。あえてマニュアルにはこだわらない自分らしさでお客様と接していこう。するとお客様との会話が段々楽しくなりお客様も私自身を覚えてくださるようになりました。そして子供の通っていた学校の引退した先生が歴代皆さん買い物に来てくださっていたり、いつの間にか私の趣味であるジョギング仲間が増えたりとお店のレジから私の住む世界が変わっていくようでした。
「しばらく来られなくなるから、今日あなたに会えてよかった」
「どうかされましたか?」
「あんたには言うわ。しばらく入院することになったの」
え、そうなんですか?では退院したら無理せずよければ私の顔みに来てください。買い物してもらわなくても大丈夫です。お顔を見せていただけたら嬉しいです」
「またあんたの顔退院したら見に来るわ。何も買わないかもしれないわよ」
「大丈夫です。お顔が拝見できたら私も幸せですから」笑顔でこんなやり取りが何人かのお客さまと出来ることが幸せです。
自分自身も初心を忘れない。必ず私の出勤日はトイレ掃除から始めます。どれだけ他のバイトが入ってきても私がゴシゴシとトイレ掃除します。掃除は接客の基本です。
そして人は日々成長。人は成長しなくなったらそこでおしまいです。私は今年九年目ですがそろそろ卒業を考えています。
子供が、ちょうど今年学校卒業します。充分にこちらで私は人として成長させてもらいました。次に進むのは勇気がいりますがそれも大切なことです。家族の笑顔と協力。これが私にとって一生現役で働き続ける力になります。