【 佳 作 】
自分が社会人になってから、現在に至る25年間を思い浮かべています。
今私の目の前に、社会人になり私もそうであったように、営業という仕事に生涯をかけようと挑戦、格闘している若者がいます。彼は入社当時の私よりもしっかりしていて、教えてもらった業務を真面目にこなし、テキパキとまでは行かないまでも、一つの業務を成功しながら、また一つの業務を失敗しながら次々と舞い込むお客様からの依頼事項を実現しています。昔は先輩から、一人前の社会人になるために「人に好かれる人間になれ、人の世話をしないといけない、人は納得しないと動かない」などと口うるさく言われたものでした。
それが、今は私に課せられた役割であり、部下を成長させることが会社への貢献にもつながり、この育てるという風土・雰囲気を作っていくことが今の私の役目になっています。
この育てる風土・雰囲気はなにより、上司である私の教える態度・熱意や姿勢次第で良い雰囲気にもなるし、悪くも出来上がってしまいます。まずはこの育てる環境を作ってあげることが何よりも必要です。そして日々の仕事を進めていくなかで、部下自身の考える能力を養わせることやある程度自由な行動が取れる組織作りも大切です。また阻害する要因を取り除いてあげることや結果はもちろんのことですが、行動レベルでももっと褒めてあげることが必要だとも感じています。しかし、あまり過保護にしても部下の能力向上のためにはならない事もあるので、部下本人が上司の教える態度を組み入れ、部下自身が自らの力で育つと思わせる環境づくりを実行することも必要なことで、育ってもらうためには部下を好きになることや、部下が前向きに捉えていることを理解し、やらせること、日々の仕事の中で、仕事に対する目的の共有を行い、何のためにそれをやっているのかを明確に理解させることも必要になってきます。
現在の私は、日常の仕事の忙しさを理由に、部下の育成が出来ていないこともよくわかっていますし、もっと積極的に自信を持って接する機会を増やし、部下に対して模範を示そうと思っています。まず自分がどんな組織を作っていくかというビジョンを持ち、将来の部門が元気で魅力的なものと感じられるように行動できるチームワーク作りや、自分自身教える姿勢を正したいと感じています。
また、今までの自分は、やって見せ、行って聞かせてさせてみせ、褒めてやらねば人は動かない派の人間だったのですが、それが全てではないと言うことも感じてきました。
それは、人はあまりにも褒めすぎると褒められることに依存する人格ができやすくなり自立心が育たなくなること、人は困難のなかでは自分から良くなろうと努力するなかで、叱らずに勇気付け、甘やかさないようにすること、物事を教えすぎると、自分で解決する能力が乏しくなり、考えて物事に対応することが出来なくなるためです。
将来自分の部下が上司になったときに困らないように、部下を育てる風土を継続させることで、将来の会社が発展できる基盤にもなります。そして、全員が助け合えるチーム作りに力を入れ、楽しい職場を目指し、この会社で働いて人生よかったと思ってもらえるよう部下を成長させていきます。