【 佳 作 】

【テーマ:私が実現したい仕事の夢】
教育支援のあと
琉球大学 三上蒼太 19歳

私の実現したい仕事の夢は、ベトナムで会社をたて、教育支援を受け終え卒業した人を雇用することです。

私は、大学入試で第一志望の北海道大学に合格することができず、失礼な言い方ですが後期試験で琉球大学に受かってしまいました。どうしても北海道大学への未練が残りそれに固執し、「大学卒業後は絶対北海道へ行く。沖縄でできる研究をしてその経験を持って北大農学部院に行く」と考えていました。

そんな中、あるきっかけで沖縄県の事業の海外インターンシップでベトナムへ飛びます。

初海外のベトナムで感じることは本当に多かったです。日本での大学の講義や、独学でパイナップルについて調べたりだとか人と会って話を聞いたりだとか以上に、ベトナムという普段と違うフィールドでは学びしかなかったです。

インターンシップの研修中のプログラムで、ベトナムで基礎教育を受けられない子ども達に教育支援を行っているNGOを訪問しました。そこの施設で学習の様子を見たり、思いっきり遊び触れ合ったり、その子たちのお家の訪問をしました。

本当に一生懸命に意欲を見せて勉強する姿、
ビー玉以上にキラキラした目で楽しそうに、体当たりでぶつかってきてくれる姿、
そんな明るい雰囲気からは想像できないような過酷な家庭環境。

見て触れて事実とその背景を知るたびに、モヤモヤグルグルとした何かがどんどん大きくなっていくのを感じました。

そもそも、ベトナムで基礎教育を受けるための条件は3つあります。
一つは、出生届や住民票がきっちり揃っていること。
一つは、そもそも高い教科書を買えるだけのお金があること。
最後に、学習が2年以上遅れていないこと。(小学校3年生の歳だったら、1年生のレベルは満たしていること、ということ)

日本の感覚でいるとどれも簡単なことに感じますが、ベトナムの現状で見ると都市部に生まれたお金持ちの子たちばかりになり、郊外や農村で生まれたような子たちには当てはまらない場合が多いのです。それでいて果たして社会主義国といえるのか・・・と疑問に感じます。

その現状を打開すべく、教育支援を行っている団体はたくさんありますが、支援をしたとしても将来まともな職に就ける割合がとても少なく、苦しい生活を送る人たちが大半だそうです。

そんないろんな話を聞いているうちに、北大に固執している自分が馬鹿らしくなりました。なんとかしたいと感じました。そんな馬鹿な自分に気付け、やりたいこともできたベトナムに何か返したい。教育支援に関する課題を第一に、他にも何かの分野でベトナムに向けてできることをしたい。

そう思って今の自分があります。

とりあえずの今の案としては、ベトナムで会社を建てて教育支援を受け終えた人たちを雇用すること。そしてその人たちに独立のためのサポートをして、ベトナムにとって必要不可欠になる人材を輩出すること。そしてその人が「私はこの教育支援施設で育った」とベトナム政府に発言し、教育支援団体に国から補助金がおりることで、もっともっと教育が行き届いていない地域にも活動が広がるようになれば最高だと考えています。

そのために今、学生ベンチャーでノウハウを学んでいます。

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