【 奨励賞 】
【テーマ:私の仕事・働き方を決めたきっかけ】
私の仕事・働き方を決めたきっかけ
山陰労災病院看護師 金田ひかり 21歳

私は今年の4月から外科病棟で働いている新人看護師です。私が働いている外科病棟は主に消化器疾患で手術を控えている患者さんや、癌で化学療法を行っている患者さんなどが入院しています。そのため、この病棟では主に術前術後や化学療法に対する看護が行われています。私はこの病棟で働き始めてまだ約3か月しか経っていませんが、患者さんとの関わりで働き方を決めたきっかけがあります。

私の病棟には先ほども述べたように癌患者さんが入院しています。化学療法を行っている患者さんもいれば、手術で癌組織を摘出する患者さんなど様々な癌治療が行われています。中には末期癌の患者さんもおられ、病院で痛みをコントロールしながら最期を迎える方も入院しています。その中で私が働き方を決めたきっかけは、癌患者さんとの関わりの中でのことです。病棟に癌で入院している患者さんがいました。朝の清拭の時、患者さんはいつものようにベッドに横になり辛そうな表情をしていました。そのため、患者さんの背中を拭くとき少しでも楽になってもらえるよう、暖かいタオルを当てたままマッサージを行いました。すると患者さんの硬かった表情が穏やかになり「気持ちいいです。ありがとう」と笑顔で言ってくれました。私は患者さんの笑顔を見て、患者さんへ行ったことが安楽に繋がりとても嬉しい気持ちになりました。また、薬でなくても人の手で患者さんの苦痛を緩和できると体験することができました。このことから疾患で苦しんでいる患者さんの安楽のために、薬で対処するだけでなく"さする""添える"など手の暖かみを用いた看護をしていこうと決心しました。

私の病棟には癌患者さんが多く入院しています。また、癌患者さんだけでなく他の疾患によって肉体的にも精神的にも辛い思いをしている患者さんが多くいます。その方々が少しでも安楽に過ごせるために、自分の手で行える緩和方法をもっと勉強し、積極的に活用していきたいと思います。

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