【 努力賞 】
【テーマ:仕事・職場から学んだこと】
仕事・職場から学んだこと
東京都 瀧島三穂 32歳

私が新人時代に最も影響を受けたことを、そして今の自分の働き方と考え方についてお話ししたいと思います、
卒業後、初めて就いた仕事は3次元設計のエンジニアでした。そこでは3ヶ月間、みっちり新人研修を受けました。技術講義に実技訓練、新人のためのマナー研修、頭を柔らかくするためのグループディスカッションや多様なチーム対抗戦。

この様な研修の中、叩き込まれた感覚の一つが「例えリーダーでなかったとしても、上に立つ人間の視点を持つ」こと。チームで動くためにはどうしても統率者が必要になります。ともあれ普通人は何か問題があればすぐにリーダーのせいにしたり、または頼ったりしてしまいます。しかしそれではチームとして成長することはありません。

そこで、フォロワーもリーダーの視点を共有しようと試みることが大事なのです。

自分がリーダーだったらどうするのか、リーダーは何をもって自分達を動かしたいのか…そうした考えを持つことで、フォロワーからの意見の活性化を図ることができ、チームを牽引するものと押し支えるものとの力を組み合わせることができるのです。

そうして厳しかった研修も修了し、私は設計ではなくシステムエンジニアとして栃木の大手企業への出向が決まっていました。

もちろん自宅から通える距離ではなかったので、単身赴任となりました。知らない土地、初めての単身赴任、初めて任された大口案件、すごく新鮮で私はやる気に燃えていました。しかし、実際に"仕事をする"というのは納期もあるし、クオリティも下げられない。そして何より、発言1つとってもそこには責任があります。仕事の向き合いかたについて相談する人もいない…知らない土地で1人重圧と戦う内、私は体を壊してしまいました。

任されていた仕事も終わらせることが出来ないまま、1年の休職をもらいました。その後復帰を望まれましたが、地方転勤の多いこの業種ではまた同じことを繰り返してしまうと思いました。

自分はリーダータイプで気も強く、独りでもやっていける!そう思っていました。しかし、栃木ではそんな自分はどこにもいませんでした。むしろ、友人や家族の支えがあってはじめて、私は理想の私でいられることに気づきました。

そこから、今度は東京はもう離れない。ここで出来る仕事をしようと決めました。

これが私の仕事をする上でのもう一つの指針になっていることです。

家族や友人のいる東京。時に多くの心配をかけてしまいますが、自分が仕事を変えても仕事での立場が変わったとしても変わらずに側にいてくれる人達がいること。それだけで私は、仕事にも真っ直ぐに向き合うことができるのです。

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