【 努力賞 】
【テーマ:私の仕事・働き方を決めたきっかけ】
自分らしく
埼玉県 小川優衣 23歳

就職活動は本当に辛かった。何社も落ち、何度も泣いた。もうやめてしまおうと考える日もあった。そんな私を支えてくれたのは、私の就職活動にずっと親身に付き合い続けてくれた大学のキャリアセンターの職員の方だった。

「人と比べていたって意味はないし、なにも変わらない。自分らしさを大事にしなさい。努力しているのは見ていてよくわかっている。必要としてくれる企業は必ずあるから、自信を持ちなさい」

最終選考まで進んだが落ちてしまい、同じ企業を受けていた友人が内定をとったことを知って落ち込んでいる時にかけて頂いた言葉だ。面接がうまくいかなかったことは自分でもわかっていたけれど、ただただ悔しくて恥ずかしくてたまらなかった。しかしこの言葉を聞いて、友人に素直におめでとうと言うことができたし、私を必要としてくれる企業に出会えるようにとにかく自分らしくやっていこうと思い直すことができた。

ここまで来たらなるようになれ。マイペースにやっていこう。気持ちが少し楽になってから、就職活動中でも自然に笑顔が出るようになった。周りを気にしたり、「いい子」と思われようとする考え方も辞めた。「いい目をしているね」と言っていただけた時、「私らしく」ってこういう事なのだと思った。

「仕事を決めたきっかけ」と問われても、正直なんと説明したらいいかわからない。
しいて言うなら、働くなら絶対この会社。そう思ったからだ。最後は内定をいくつか頂けることができたが、悩むことはなかった。初めに考えていた第一志望とは違ったが、選考が進むにつれてなぜだかスッと「ここで働く気がする」と感じた。そして私を選んで頂くことができた。人と話すことが好き。細かい作業が得意。オンオフはっきりしたい。はじめはそんな安易な気持ちで選んだ業種だったが、選択は間違っていなかったと自信をもって言える。その結果私は今、自分らしく働くことができる会社に勤めている。

働き始めて1年半がたちお客様と接する機会が増えてきた今、よくあの時の言葉を思い出す。お客様とうまくコミュニケーションをとるにはただ丁寧にマニュアル通りすればいいわけではない。様々な状況で、自分がどんな声のトーン、テンション、表情、で接客するべきなのかを咄嗟に考えて、お客様に気持ちよく帰っていただく為のコミュニケーションを取ることは本当に難しい点だと日々感じている。

はじめは先輩の真似をしようとするだけで精一杯だったが、それだけではなかなか上手くいかなかった。自分らしさも大事にしなければ、ただ周りを気にして焦っていた就職活動と同じことを繰り返してしまう。この会社と出会えたのと同じように、たどたどしくても私らしく接すればきっと距離を縮めることができるのではないだろうか。

後輩も入ってきて、もう新人といって甘えることはできない。しかしまだまだ半人前、勉強の日々。失敗することも、辛いと感じる時もあるが、なんだかとても充実している。 まだまだ始まったばかりの新しい生活。自分らしく、やっていこうじゃないか。

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