【 努力賞 】
【テーマ:女性が輝ける働き方】
女である、わたし。
早稲田大学教育学部 木場晴香 20歳

「女性にこんなことさせてしまって、申し訳ない」
ショップのアルバイトで、倉庫から大き目の段ボールを運ぼうとしていたとき。先輩アルバイトの男性から言われた言葉。
結局先輩が私の代わりに段ボールを運んでくれた。
いままでガサツで、干物女な私にそんなことをいってくれる紳士がいたとは。
ちょっと嬉しかったし、ちょっともやもやした。

女性に?

おんなじようなもやもやは、大学のサークルでも感じた。
大学祭の準備とか、新歓花見の場所取りとか、何かしらの体を使う雑用には、ぜんぶ、1年生の男子が駆り出されていく。それを女子は戦地へ夫を見送るように涙を流し・・・いや、彼女たちが見ているのはスマホだし、送っているのは彼氏へのLINE、か。

とある新聞社のアルバイトに電話応募したときも、「体力的にきつい仕事なんで女性を受け入れる体制ではないんですよ・・・ごめんなさいね・・」
と、電話口で申し訳なさそうな柔らかい口調で断られたことがある。

男は、女のぶんまで力仕事をがんばってくれている。ありがとうございます。
たしかに、男と女では体格も体力も違う。
特定の宗教を信仰しているわけではないけれど、神様だってなにかわけがあって男と女という「性」の「別」をつけたんだろう。子どもを産むことのできるのは女性だけだ。
保健を習った小学4年生だって知っていることだ。

だから、男と女で働く形がちがうのは、あたりまえ。

でも、それって、
<<私>>という人間を、見てくれてるのかな。

たしかに私・木場晴香は女として生まれてきた。でも、それは<<私>>を構成するステータスの一部に過ぎない。新聞社のバイトだって私が"木場晴香"だからではなく、"女"だからっていう理由だけで落とされた。

私は浪人して大学に入ったけど、受験だって、「"女"だから落とす」なんて聞いたことがない。

ダンジョコヨウキカイキントウとか、女性のカンリショクをふやす、とかいうけれど、それってただ単にステータスである「性」の「別」をなくそうとしているわけ。"男"も"女"も関係ないっていう。

「性」の「別」がなくなったら、それこそ、「じぶん」らしく働ける場所を選ばないとね。

"女"として生まれてきた<<じぶん>>だからできるものの考え方、作り方。書き方、伝え方、話し方。
そして働き方。
私はたのしいことを考えて提案することが大好きだ。「"女"らしいアイデアだ」って、褒められるのはうれしいけど、
「木場さんらしいアイデアだ」っていわれるほうがもっともっとうれしい。

女性が輝ける働き方っていうのは、育児支援とか、産休とかもあるだろうけど、それよりも"女"として生まれてきた<<じぶん>>が活躍できる仕事をする、っていうことなんじゃないかな。<<じぶん>>らしい仕事ができる女性が、これからもっともっと増えていくといいな。

だから、オトナになって就職したら、こう言われたい。

「木場さんと働けてよかった」って。

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