【 努力賞 】
【テーマ:私がやってみたい仕事・働き方】
将来の夢
静岡県立磐田農業高校 神谷明里 17歳

私は、アルバイトをしている。某家電量販店でのカウンター業務だ。ここの店で働こうと決めた理由は、小さい頃から家電関係のチラシを見ることが好きだったことと、始めようと思った時にちょうどいい業務時間で募集していたからだ。

初出勤。「働く」という経験がゼロだった私は、なにもかもが初めてでとても戸惑った。最初はレジを打っている人の横に立ちサッカーという、いわゆる商品の袋詰め業務だった。ただ袋に詰めるだけの作業だけでも、入れ方に悩んだり、袋のサイズを間違えてしまったりと悪戦苦闘したことを覚えている。4回目頃の出勤でレジ操作について教わった。あまり練習もなく「とにかく慣れることが大切」と言われ、お客様のレジ対応をした。あたりまえだが、一つ一つの動作は遅く、言うべき言葉が出てこない。お金の受け渡しもぎこちなく、目の前に立っているお客様はイライラしだす。これを感じて更に焦り出す。指導してくれていた人は、こんな私を見てひとこと言った。

「なんでお客さんがイライラしてのるか分かる?遅いからだよ」

率直に言われて、自分でも分かっていたことなのに悔しくて気づいたら涙がでていた。何気なく立ったスタートラインだったが、この日の悔しさから高校生だからといって甘えることはやめようと思った。同じ現場で働いている従業員の方々から信頼されて、どんな仕事でも任せられる立場になることを目標とした。周囲から高校生とみられないくらいの存在になりたかった。初めて働く大切さを知った、スタートラインから一歩進めた気がした。

自分の中の気持ちが変わってから与えられた仕事は全て全力でやってきたつもりだ。時には出勤することが憂鬱なときや、帰りたいと思ったこともたくさんあった。しかし、自分がその感情を出してしまったら周りに迷惑がかかる。とにかく、がむしゃらにがんばってきた。アルバイトを初めて一年半、まだまだ甘えている部分もたくさんある。最初のスタートラインから、どのくらい進めただろうか?周りの人から見た私は高校生を超えているだろうか?きっと、このスタートラインにゴールはない。

私は、高校を卒業したら就職するつもりだ。このアルバイトを通して学んだこと、考えたこと、自分が思う働き方をこれからも大切にして生かしていきたいと思う。就職先でも常に全力投球で、客観的にみられても「こいつなら大丈夫だ!」と思われるくらいの存在になりたい。

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