私がやってみたい仕事は、小説家や脚本家です。働く、職業、仕事などと言われて真っ先に思いつくものは会社員や公務員というのが一般的だと思います。それらの仕事には、堅実、大変そう、などといったイメージが私の中にはあります。一般的な会社員や公務員の他にも世の中には様々な職業があります。客室乗務員や、美容師、靴を磨くことを専門に職業としている方も居ます。世の中に、ありとあらゆる職業がある中で、私が小説家・脚本家の仕事をしてみたいと思ったのには理由があります。
わたしが通っていた保育園は、常に絵本が何冊か本棚に置いてあり、誰でも読めるようになっていました。私は小さいながらも、少しずつ本の持つ魅力に惹かれていきました。小学校に入学すると私の本への執着は更に強まっていきました。絵本だけでは飽き足らず、学校の昼休みに図書室へ毎日通って百科事典や偉人の伝記を読みあさっていました。中学校に入学してから、私はある一冊の本に出会いました。私の中学校には名作30選という独特の推薦図書のようなものがあり、それに選ばれていた「塩狩峠」という本が私にとって特別な影響を与えてくれました。この本は約四百ページほどある長編小説で、キリスト教の教えに従って生きていく主人公の物語です。この頃には、本の魅力にすっかり取りつかれていたので毎朝15分間とられる読書の時間を心待ちにしていまいした。本のずっしりとした重みと紙の独特な質感、今後の展開に胸を高鳴らせながら毎日読書にあけくれていました。この「塩狩峠」という本に出会ってから本に対する関心が更に強まり、私の中での本のとらえ方が大きく変わりました。
「塩狩峠」に出会って、本をたくさんよみたいという願望から、この本を越えるような大作を執筆して世間に認められたいという願望に変りました。私が出会った本以外にも私たち世代が興味のわくものが世の中に溢れていると思います。私のように、一冊の本によって考え方が変わる人がいるかもしれません。本は人を、人の心を豊かにしてくれます。大人から子供まで、幅広い世代の人々の心を豊かにできるような文章を書いて、作家という職業の素晴らしさを世間に再認識してほしいのです。
作家の他にも、私たち世代が多くの職業を担っていくことになります。どんな人にも、すごい、さすが、と言われるような職業が増えていき、自分の職業や働き方に満足いく世の中にしたいです。