【 佳 作 】

【テーマ:女性が輝ける働き方】
キャリアと家庭の両立
東京都 杉森菜摘 23歳

最近、テレビや雑誌、新聞などで「キャリアと家庭の両立」をテーマにした特集が組まれているのを目にすることが多くなった。私が先日読んだ記事で紹介されていたキャリアと家庭を両立させている管理職女性の生活スタイルはこうだった。朝は5時に起きて朝ご飯の準備と晩御飯の仕込み、掃除洗濯を行って子供を保育園に送り届ける。9時に出社し18時まで仕事をして子供を迎えに行き、子供が寝るまでは家族とのコミュニケーションを大事にする。子供が寝静まったら仕事の続きをする。毎日の睡眠時間は4、5時間。また彼女はこうも発言していた。「会社はキャリアと家庭の両立に理解がある。私が家で仕事ができるような環境を整えてくれるし、子供が病気になり早退・欠勤してもチームのメンバーがサポートしてくれる。家庭があるからといって待遇に違いはない。成果を会社は評価してくれている。夫も家事の手伝いをしてくれる」恐らく特集で紹介される方々の多くはこのようなライフスタイルであると思われる。

だがしかし本当にこれが「キャリアと家庭の両立」なのであろうか?少なくとも私がこの記事を読んで抱いた感想は「私は将来このような女性にはなれないかもしれない」であった。前述した「キャリアと家庭を両立」させているのは一部の、優秀な「スーパーウーマン」である。それに対し多くは平凡な、普通の女性である。家事、育児に加えて仕事もきっちりこなし、忙殺されて自分の時間も取れない日々に耐えられるであろうか。私は耐えられるとは到底思えない。「スーパーウーマン」が理想のロールモデルとしてメディアに取り上げられれば取り上げられるほど、こうはなれない、という思いを持つ女性が増えていき「キャリアと家庭の両立」からは遠ざかってしまうのではないであろうか。またサポートする会社は今後このような女性が増えていっても組織として成り立っていけるのであろうか。サポートする側へ仕事のしわ寄せは確実にやってくる。

ではいわゆる「普通」の女性がキャリアと家庭を両立していくためにはどうすればいいであろうか。私は次のように考える。まず家事も育児も100%自力でこなさなければならない、という認識を改める。そのためにベビーシッターや家政婦を一般の家庭でも利用できるような体制を整え、家事育児の負担を軽減する。次に家庭を持つ「女性」をサポートする、という認識を改める。「男性」にも当然家庭があるのだから、家庭を持つ人々に対しては全て同様のサポートを行うべきである。そして男性も女性も同様に仕事と家庭にコミットできる、コミットさせる体制を整える。

今後やってくる少子高齢化において、労働力として女性を活用することは重要なテーマである。今以上に「キャリアと家庭の両立」は求められていくであろう。私も当事者の1人としてより多くの女性がキャリアと家庭、双方を実現できることを切に願っている。

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