【 佳 作 】

【テーマ:女性が輝ける働き方】
テレワークオフィスが作る未来
跡見学園高校 山本葉月 16歳

今から6年後、東京でオリンピックが開催される2020年の日本はどのような社会になっているのだろう。あらゆる分野の研究が発達し、現在より更に便利な時代が到来しているに違いない。社会の様子は大きく変わっていたとしても、女性たちがもつ理想は変わらない。いつ、どんな時代でも変わらない女性たちの夢。それは「自分の夢を追いかけつつ自ら温かい家庭を築くことだ」そのどちらか一方を実現することが夢だという人はこれで良いかもしれない。けれどこのままでは、自分が誇る職業を一生貫き、夢をずっと追い続けたいと願う女性たちの居場所が無くなってしまう。

現在の日本の法律、企業の取り組みのままでは働く女性たちが今後、理想を実現に変えていくのは難しい。現状を調べてみると、多くの企業で女性が働きやすい職場環境実現に向けて様々な制度を整えている。しかし実際その制度を利用できているのは一部であり、形式だけで終わってしまっている企業も少なくない。現状を打開したくても、世間の目や周りの圧力に押され、何もすることのできない女性たちがいるのは事実である。このよう状況下で日本の女性たちが輝いていると本当に言えるだろうか。あらゆる障害とうまく付き合いながら幸せを追求する。これが女性のあるべき本来の姿であり、企業はそれを助ける立場でなければいけないと私は思う。そこで私は2020年の未来社会日本で、女性が臆することなく生き生きと働くことが可能な企業のロールモデルを考えた。

2020年には今よりもっと電子機器の技術が向上し、それらの技術は企業にも積極的に取り入れられることだろう。全員が全員、毎日本社に通い、仕事をする必要がなくなるかもしれない。仕事の大部分を自宅でも行えるようになって仕事の形態が今とは全く違ったものに変貌しているかもしれない。果たして女性たちはその中でどのように自分らしくあり続けるのか。ここで私が提案するのはテレワークオフィスをモデルとした企業をつくることである。

通勤時の肉体的・精神的ストレスの軽減を見込んで、離れた場所に新たなオフィスをつくるテレワークオフィスはたいへん利点が多い。そのテレワークオフィスを働く女性たちに焦点を絞ってつくりあげてみてはどうだろう。本社とは少し離れたたくさんの人が住む住宅街にオフィスをつくり、全く違った雰囲気の中で仕事をするのだ。中には子持ちの女性、離婚経験のある人、未婚のシングルマザーなど様々な境遇をもつ人がいる。そういった人々が互いに助け合い励まし合って仕事をする。そこには重苦しい雰囲気も周囲からのプレッシャーもない。社内には女性たちが気兼ねなく話をすることができる談話スペースを作り、溜まったストレスを癒せる足湯の場を設置するのもいい。子持ちの人のために、安心して子供を預けることができる施設も併設しよう。こうすることで、母親として終始子供の様子を心配することなく仕事に没頭できるはずだ。ここには女性たちがのびのびと仕事ができる環境が整っている。まず最も重要なことは、このように企業が全体で変わっていくことではないか。一見メリットばかりに思えるテレワークオフィスにも隠れた問題点があることは確かだ。けれど企業が大きく変わろうとしている、という事実があるだけでも女性にとってはとても嬉しいことであるはずだ。

夢を追いながら、自分の仕事をしながら、更に自分で温かい家庭を築きたいという夢は傍から見ればわがままかもしれない。しかしこれから先の人口減少社会で女性の働き手は必須になるし、そしてなにより女性たちが輝き続けるためには、仕事をしていても家庭を築くことができる社会の実現が第一なのである。女性が生き生きとしている社会ならその周りもキラキラ輝き出すに違いない。女性は社会の太陽だ。女性たちの笑顔は、これからの未来を明るいものにする鍵となるに違いない。

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