【 入 選 】

【テーマ:女性が輝ける働き方】
ゲームで輝く!
山口県立山口高校通信制 福重舞海 17歳

「女の子なのにゲーム?」これは私が今まで何度も言われ続けた言葉だ。趣味は?好きなものは?将来関わりたいものは?そんな質問に私が「ゲームです」と答えると、返ってくる答えは大体これだった。そのたびに私は「女の子はゲームをやってはいけないの?」と苛立ちを覚えていた。

高校生くらいになると、将来を考える人が多くなってくることもあり、自分の夢について否定されることは少なくなったが、相変わらずゲーム=男の子というイメージは消えていないように思う。自分のなりたい職業や好きなものを仕事にするのは皆の夢だろう。私の場合、それはゲームだ。人それぞれにたくさんの夢がある中で、女性が特定の職業に就くと驚かれるものがあるのはどうしてだろうか。

私は女性だけの職業はあまりないように思う。特に肉体を使う男性社会のイメージが強い職業はたくさんあるが、女性社会のイメージの職業は少ない。女性の仕事と聞いて私が思いつく中でキャビンアテンダントや保育士が浮かぶ。だが最近はある航空会社がキャビンアテンダントの制服のスカート丈を短くすると発表し、メディアなどでその制服姿の女性たちが広く報道された。様々な意見があがったが、私はそれを見て「ひどい!」と感じた。女性だけが着られるワンピースという服を利用し、女性を見世物にしているように見えて仕方なかった。保育士にしても女性=子どものイメージが根強く付いてしまっているからだろう。女性が家で家事をするという昔からの固まった考え方は、今現在でも確実に働く女性の重みになっているのではないだろうか。

女性が働くうえで一番不安に思うのは結婚・出産後の働き方である。確かに結婚や出産は女性にとって大きなイベントであり、この上ない負担になるだろう。結婚後の女性が働く理由の中に社会と関わりを持ちたいという理由がある。これは先ほどにも述べた女性は家で家事をするという考えを女性自身が否定している表れではないだろうか。家事だけでなく女性の輝ける仕事はたくさんあるはずなのに。

私はゲームのストーリーを作るという夢があり、できたらずっとゲームに関わっていきたいと考えている。そんな思いを友人たちに話すと「変わっているね」や「もっと女の子らしい仕事にすれば?」などといわれ、不思議そうな顔をされたことが何度かある。確かにゲームは作られた当初、女の子の興味を引くような内容は少なかった。それに加えて時代のせいもあり、女の子がゲームをすることを許さない親も多かったのではないだろうか。だが、最近では女の子向けのゲームや小さな子どもの教育のために使われるゲームなど、女性の面からの方が作りやすいゲームだってたくさん作られている。ゲームの世界はもう男性だけの世界ではない。たくさんの女性が力を合わせて一つのゲームを作っている。それはきっとゲームの世界だけではなくさまざまな職業にも言えることだろう。

私は社会で女性が働くことにはまだたくさんの問題があると思う。昔から構築されてきてしまった男女の感覚の違いや女性の容姿に対する社会感覚など。今すぐにどうにかできる問題は少ない。しかし、それに従うことは絶対にしなくていいことだ。自分が関わっていきたいと思う職業がどんな職業でもそれを目指していけばいつの間にか自然と自分の姿が輝いて見えるはずだ。そんな女性が増えていけば凝り固まってしまった昔の考えがほぐれ、今度は社会が輝けるものになるだろう。

戻る