童話のシンデレラは、ガラスの靴で幸せになりました。ところが今、日本の現実で女性たちはガラスの天井とガラスの壁で囲われ、仕事で苦戦しているようです。
私が一人目の子を出産したとき、義姉に子供の世話を頼んで出社することが出来ましたが、二人目の子が生まれたときは、二人も預かって貰える目処が立たずに退職せざるを得ませんでした。残念な気持ちと、子育ての大切さのはざ間で気持ちは揺らぎます。
子育ての問題から手が離れたと思う間もなく、親の介護が待っていました。
今、育メンや介護支援が取り上げられ、ワークライフバランスが提唱されていますが、現実問題としてはガラスの透明度が増して光が見えた程度だと思えます。
そんな中、立ち上がった女性が私の友人に二人います。
一人は出産を機に自宅でデザインや企画の仕事をこなす、いわゆるノマドという仕事の方法を選択したのです。仕事のやり方は変わりましたが、今までと変わらずに活躍しさらに感性がみずみずしくなったように感じられます。仕事と子育ての両立を叶えました。
もう一人は、会社を退職して自ら企業内保育の立ち上げを成し遂げた女性です。企業との交渉・制度の確立・人員の確保。立ち上げ当初は何度も挫折しそうになりながらも、同じ想いの女性の力になりたいとの信念が設立十年を経て大きく成長されているのは、私としても嬉しく共感を覚えます。
現在は呼称も男女同じ(看護師やキャビンアテンダント等)になっていますが、男女は決して同じではありません。一般的に男性は女性より力が強いですが、女性は男性より柔らかな印象があります。
「女性が輝ける」というのは、その特性や、出産等の人生で起こりうる女性の事象を含めた仕事の在り方・働き方を考慮に入れて取り組む事だと思います。もっとしなやかに、柔軟性のある仕事のやり方があるはずです。
私の場合、二人目の出産後に一旦は退職しましたが、子供を連れて色々な講習に出かけ、自宅で資格(簿記や安全衛生管理等)を取りました。そして製造業の経理として再就職した後は前職で培った金融等の知識を活かして会社に貢献し、後に役員となり経営参加するようになりました。
決して子育てや介護等が片手間で出来るものではないにしろ、自分の置かれた環境・周りの人脈・友達の情報・近所のネットワーク・地域の制度、そういったものを知らずに過ごしたりすることは、素手で立ち向かう様なものに思えてなりません。ちょっと頼める事や悩みを聞いて貰えるだけでも、どんなに支えになるか知れません。
そうやって今、私も様々なことを乗り越えて働き続けています。現在、実家の両親の介護真っ最中ではありますが、友人や周りから差し伸べて貰える言葉や手をありがたく感じながら、両立させています。勿論、助けてもらった以上にこちらも、困った友の力になれる様にと心がけてもいます。
女性が輝ける働き方とは、そういった周りからの光があって増すものでもあり、様々なやり方を柔軟に取り入れていけば仕事だけに留まらず、人生という舞台の上でもきらりと輝くのではないでしょうか。そうした柔軟性が私たちを幸せに導くガラスの靴であって欲しいものです。