【 努力賞 】
【テーマ:仕事・職場から学んだこと】
積極的に恥を掻こう!
神奈川県 志摩杜史 54歳

不況や雇用不安の中、職場ではパワハラやいじめが深刻な社会問題になっています。

私もサラリーマン時代、上司から不可解なパワハラやいじめを受け、随分と理不尽な思いをした経験があります。

会社はある種、軍隊と同じ組織で上の人間の言うことは絶対に逆らえません。パワハラやいじめを受けている間はサンドバッグを叩かれている状態に等しく、相当な我慢を強いられます。ただ、それにも限界があり、長く続くと精神的にも異状を来たし、うつ病などの深刻な病気に発展することも珍しくはありません。

労働組合などに相談する方法もありますが、日本の会社の労働組合は御用組合も多く、人事課と結託していて逆に人事に密告されてしまう危険もあります。

私自身の経験ですが、パワハラやいじめは他人に解決してもらうのでなく、あくまで自分で克服するしか方法はないということです。

まず、会社で一目置かれるようになればパワハラやいじめもなくなる筈です。

それにはまず、自分自身の専門性を高めることが肝要です。私はキャリアアップには理論と実践の両方が必要だと思っています。理論だけの人間も、現場だけの人間も片手落ちです。資格取得などで専門的な知識を体系的に身に付けるとともに、現場の実践力も磨けばシナジー効果が期待でき、高いキャリアアップが可能になります。

一、二年ではなかなか効果が期待できませんが四年、五年と立つと驚くほど高いキャリアが身に付くこと が自分でも体感できる筈です。

私がある資格を取得してコンサルタント会社に転職した時、経験が少なく、自分の能力に自信がもてませんでした。そのため数年間は職場で肩身の狭い思いをし、酷い扱いも受けました。歯を食い縛ってひたすら我慢する日々が続きました。しかし当たり前のことですが、いたずらに時を過ごすだけでは容易に状況は変わりませんでした。

そんな時に気が付いたことは、自分で勉強をすることに加えて、実践力を身に付けるというキャリアアップ法でした。

自分でもっとも弱かった土地や建物の知識を宅建の資格を勉強することで身に付けるとともに、現場では積極的に汗を掻きました。また、私の場合、汗と同時に恥もたくさん掻いてきました。

若い頃の恥は必ず、将来の財産になると知ったのもちょうどこの頃です。知ったかぶりをしていたずらに年を重ねるよりも、「聞くは一時の恥」と割り切って、積極的に人の意見を聞き、取り入れたことが後々よかったと思っています。

今、私はコンサルタントとして独立していますが、若い頃の現場の経験が随分役に立って、糧にもなっていると感じます。

そもそも最初は単にいじめを受けたくないというネガティブな動機から始まったのですが、やがて本当にキャリアアップをしたいというポジティブな積極的な気持ちを持てるようになり、それが今の自分を創ってきたと思っています。若い方はどんどん恥を掻いて成長してください。

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