【 奨 励 賞 】

【テーマ:仕事から学んだこと】
私が仕事から学んだこと
東京都立一橋高校定時制 山本 千夏 17歳

私は二つの仕事を経験しました。

一つめは牛丼チェーン店です。選んだ理由は、牛丼や食べることが好き、そして、何より仕事がなく、プライドなど言っていられないと思ったこと、24時間営業だったことからです。私は、朝5時から学校までの時間を希望していました。が、とてもといっていい程、シフトはゴチャゴチャ。好き放題シフトを入れられました。地元の駅にオープンする店舗のクルーだったので、本当に大変でした。研修時からとても笑顔が売りになると言われ、皆が外でおぼんを持って走る間に一人席の接客を代表として教えてもらい、やりがいになりました。が、オープンしてからは作る人1人、カウンター1人になってしまい、とても大変でした。充実していましたが、労働時間オーバーのシフト。常連さんに笑顔を届けるため、必死に毎日出勤し、私がいるときの売り上げがいいと言われ、もっと使われ、最終的なシフトは…朝5時から9時、夜18時から22時。休日が朝5時から9時、10時から14時、18時から22時。いいように使われただけでした。寝る時間も少なく、年末年始も元日も朝から夜まで出勤。その後、体を壊してしまいました。入院し、手術を受け思いました。自分の笑顔なんかが、知らない人の一日の癒しになると言われ、お客様のため、誰かのためにその人の笑顔を作ることが自分でもできるんだと必死になることも学びましたが、自分をおろそかにしてはならないと学びました。笑顔のためにも元気でいなくてはならないと。

このバイトを始めてから、何があっても笑顔で接するようになり、中学時の友人に会うととてもびっくりされます。そんなに笑うんだね、と。当時はたまに笑っても学校や外では目つきの悪い人でした。ですから、自分自身この経験をして変わることができたんだなと心から感謝しています。

二つめの仕事は、重度訪問介護ヘルパーです。知的障害の方は少なく、ほとんどが身体の障害をかかえた方です。仕事内容は、掃除・洗濯・食事準備・入浴・排泄・移動介助です。私は自分も病気を持っていて、余命宣告をされたこともあり、入院・手術などで、話すこともできず、寝たきり、息をすることさえ苦しいくらいの経験をしました。ですから、全てといったら失礼になりますが、少しはわかります。自分の経験を活かしたいと強く思い、お金を貯めて、実技講習も受け、自力で資格を取り、就職しました。この仕事で学ぶことの一つめは、命の大切さや普通と思われているこの体が普通ではないこと、ありがたさです。当然です。命に直面して仕事していると本当にそれは実感します。普通に歩いたり、ご飯を食べたり…日常のすばらしさを知ります。二つめは人の心の大切さです。入居者の方に気持ちと行動で表現していこうと、人として大切な思いやり、人を思う心を学びました。三つめは、その人を人生の大先輩とし、尊重して介護する大切さを学びました。○○してあげるなど、とても嫌だと思います。私たちがやってあげているんではない。私たち元気な人が不自由な人の代わりになるのは当然だと思います。他にももっと学んだことがあります。しかし、私がもっと学ぶ必要なことが多いので、もっとたくさんの人とふれあい、助け支えあいながら深く知り、経験して生かし、人生を素敵な道にしていきたいと思います。

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