【 努 力 賞 】

【テーマ:仕事から学んだこと】
自分らしく 悔いのない人生
徳島県 ひまわり 45歳

24歳の時、主人と結婚し、家具店の二代目として、経営を任されることになった。

しかし、クローゼットの普及でブライダル家具の売れ行きが悪くなったことや、住宅事情の変化、そして、不況。その上、近隣に大型店が出店することになり、今後の影響も考え、廃業を決意。その後、自己所有の店舗を貸事務所にしていたのだが、リーマンショックの影響で空き店舗になり、高額の固定資産税や建物の維持費を考慮した結果、土地と建物を売却することになった。

父と母が、裸一貫から先祖の土地で商売を始め、思い出がいっぱい詰まったこの土地を手放すことになった悲しみは、私以上に、主人や主人の母は、辛かったに違いない。また、数年前に亡くなった主人の父にも、本当に申し訳ない気持ちで一杯になる。

その後、私たちは、土地を売却したお金で、新しい土地を購入し、家を建てた。第二の人生の始まりである。

40歳を過ぎてからの就職は、とても厳しい。そんな努力の結果、主人も私も、非正規雇用でパートタイマーの仕事に就くことができた。子供は、現在大学2年生。一番教育資金がかかる時期である。正規雇用にはとても憧れる。

また、主人の仕事は、一日中、立ちっぱなしで、歩き続けているので10キロ近く、体重が減った。マイナス20度の冷凍庫での仕事と夏は気温32度を超す蒸し暑い倉庫での作業の繰り返しの過酷な仕事で、足の爪から出血し、2回ほど爪が剥がれ落ちたこともある。

でも、主人は、家族には、痛いとか辛いとか、愚痴ひとつ、言わない。それどころか、入社してはや4年。今では、仕事もミスなく完璧にこなし、職場のみんなから信頼され、なくてはならないリーダー的存在になっている。

また、私の仕事は、一日中立ちっぱなしの仕事で、お客様への気配りと、信用を第一の仕事で、失敗の許されない、厳しい仕事である。また、その上、女性の多い職場なので、人間関係が大変である。ストレスからアレルギーと更年期障害も起こってきて、辛い日々が続くが、この年齢になって、せっかく縁があった仕事なので、絶対辞めないと心に誓い、自分との闘いが続いている。

そんな中、昨年、実家の父親が脳内出血で倒れ、半身不随になり、そのことがきっかけで、ホームヘルパーの資格の勉強や、サービスケアアテンダント、秘書1級など、いくつかの資格取得し、自分自身が、今まで知らなかったことをたくさん学ばせていただいた。

仕事というものは、どんなに辛くても、逃げ出せば、今までの努力が、そこで終わりになる。そして、自分に負けることになる。毎日、毎日、いやなことも辛いことも、たくさんあるが、一つ一つがすべて自分自身の経験になる。人間は、苦労した分だけ立派になれる。だから、失敗を恐れず、自分らしく悔いのない人生を歩みたい。

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