【 佳 作 】

【テーマ:仕事から学んだこと】
専業主婦から正社員になって
広島県 大下 由美子 51歳

51歳の私…、現在は夫と大学生2人の4人家族で、市内に長女一家もいる。正社員として働き始めて6年目、基本は土日は休みだが、たまに休日出勤や自主研修があったりと、忙しくしている。

25歳で結婚した私は3人の子育てで暫くは看護師から遠ざかっていた。40歳を目前に「自分はこのままでいいのか?」と思い始め、まず手始めに各種モニターに応募し、自分の意見を持つ事の大切さを知った。

そして徐々に外へと目が向くようになり、看護師の資格が生かせる骨髄移植推進財団のコーディネーターや、新薬承認の為の治験コーディネーターをした。何れも非常勤嘱託や派遣社員・契約社員で、雇用形態・収入面等不安定な仕事だったが、その頃の私は、子ども達にとっても自分にとっても無理のない働き方がしたかったので、それでも良かった。

が、私は何を思ったか、看護師に復帰してしまった。これまでの仕事では資格はあるものの、医療行為をすることはなかった。耳鼻科の外来勤務で午前中のパートとして2年間勤めた。私はそこで実に18年ぶりに注射器を握ったのである。患者さんは体調が悪く、血管も浮きにくい。時々どういう事が起こったかは想像にお任せする。

そんな時、新聞の折り込み広告で「○○地域包括支援センター 看護師募集」のチラシを見て、「これだ!」と閃いた。私は結構行動力があり、「2年前に着たスーツが入るかしら?」位の軽いノリで面接を受け、受かってしまった。当時の総看護師長が近所の方だったのも何かのご縁。

介護保険の「か」の字も知らなかった私が、センター長初め同僚、関係者の皆様、利用者の皆様に支えられ、地域の身近な相談窓口・地域包括ケアの要として位置するセンターで充実した日々を過ごしている。

思うに、資格は人を裏切らない。5年間働きながら、准看護師、正看護師の免許を取得して置いて良かった。大学生を2人持つ親として、今心からそう思う。

物事はタイミング。私も中々踏み切れず、「誰かが背中を押してくれたら…」なんて思った時期もあったが、動くのは自分で慎重になり過ぎない事も大切だと思う。「まっ、いいか」下の子が小さい頃、よく私の口マネしていたっけ…。

私の子ども達を含む今時の若者に言いたい事「傷つく事を恐れないで、傷ついた分人は強くなれるし、人に優しくなれる」「人生に無駄な事は一つもない」どちらも使い古された言葉だけれど、多くの事を体験したからこそ言える言葉だ。
そして、1.職場に入ったらたとえ年下でも、自分より先に入った人が先輩。2.後から入った人でも年上も先輩。3.そして、同僚の長所を見て習う。願わくば習われるようになる。以上の3点に気をつけるだけで、職場は変わる!ある意味家族よりも長い時間を過ごす職場だからこそ、少しでも気持ち良く過ごしたいものだ。

人生90年時代、私はあと何年働けるだろうか?(働かなければならないだろうか?)何れにせよ、働けるのは有り難い事。これからも向上心を持って働きたい。「あなたに相談して良かった」、「あなたと出会えて良かった」、と言って頂けるように…。大下由美子、51歳、少々左膝が痛みますが、あなたの笑顔に会えるよう、今日も頑張っています!

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