【努力賞】
【テーマ:私を変えたきっかけ】
私を変えたきっかけ
島根県 松江市  新 孝行 29歳

私は現在29歳ですが、今の会社に入社して今年2年目を頑張っている所です。年齢が高い分、会社から求められることと、己の実力の低さの差を埋めるために奮闘する日々を送っています。

以前、私は東北の岩手県でピアノをメンテナンスする調律師として働いていました。結婚を機に山陰に移り住んだのですが、若い私が一から開拓していける程の仕事量は無く断念せざるを得ませんでした。他にこれと言った資格や技術を持っていなかった私は、鳥取県の職業訓練所とハローワークから紹介してもらい、そこで初めて電気工事というものを学びました。しばらく離れていた計算問題に頭を抱えたり、人生で初めて手に持った圧着工具や電線類の扱いに手こずったりでしたが、その新鮮さを楽しむうちに半年が過ぎ、職業訓練所を卒業して早くも電気工事士として働く日を向かえました。

当初、私は電気工事士を含め建設業は、会社の社長や監督がお客様とコミュニケーションを取り、現場の作業者は図面を見て、その打合せ内容通りの工事を行なう。お客様と顔を合わせるのは工事の経過を見に来られた時に一度か二度しか無い。つまり打合せ者と工事をする者は別の領分であり、お客様と挨拶は交わしてもあまり出しゃばってはいけないものだと、いつも一歩下がっていました。

あるきっかけで今の会社に入社してから、その考えは覆されました。私より何歳も年下の現場作業者が、施主であるお客様と生き生きと話しをし、自分が会社の顔なのだと自信を持って打合せも工事もこなしている姿は、以前私がピアノを調律して回っていた頃のサービス業の精神と建設業の職人気質が結びついたような、とても感動を覚える姿でした。これも島根電工という会社が、建設業の中でもサービス業としての面に重点を置き、早くから取り組んで来た姿勢がどの社員にも浸透しているからなのだろうと感じました。

今現在は、一歩下がった施工者の姿は忘れ、調律師だった頃のサービス精神でお客様の要望に密着した電気工事士を目指しています。

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