お金のために働く。
何のために働くの、と聞かれてこう答えたら、きっと、お金が全ての人なんだと思われてしまうのかもしれません。しかし、これは決して間違った考えではないし、むしろ正しいことだと思います。
食費、医療費、光熱費。その他にも普段生活していく中で掛かるお金を数え上げればきりがありません。そして、その生活していくために必要になるお金を稼ぐ手段が『仕事』というものなのだと捉えています。
ですが、それを唯一の目的にはしたくない。私はそう思います。中学生のときの職業体験でお世話になった老人介護施設で、入居者さんとお話ししたり、着替えや食事のお手伝いをさせて頂いたりという体験の中で、入居者さんからたくさんの「ありがとう」をいただきました。その経験から『働く』ということは『お金を稼ぐ』だけではなく、誰かの役に立つことができる、ということだと気付きました。
一言に役に立つと言っても、様々な形があります。介護施設のように利用者さんが目の前にいらっしゃる場合もありますが、そうでない場合もあります。例えば、去年の私のインターンシップ先だった化学薬品工場のような製造業と呼ばれている職業では、作った製品を使うお客様の姿を見ることができないこともあるでしょう。それでも、どちらの職業も共通して誰かの役に立っています。介護施設ではお年寄りが安心して過ごせる場を提供し、薬品工場では製品で人命を救います。相手や状況が違っても、誰かの助けになっていることに変わりはありません。どちらの方が大事などという順位は存在しないと思いますし、世の中の全ての職業は平等に大切だと思います。この社会にある様々な仕事はどれも必ず誰かを助けたり、笑顔にしたりする力を持っていると思うのです。
私が将来就きたい職業は、競争率が高いと言われています。この不景気の中、望み通りの職に就ける保証はありません。もしかしたら、全く関係のない別の場所で働くことも十分に考えられるでしょう。それでもこの先、どんな職業に就くことになったとしても、仕事をお金を稼ぐためだけの手段にせず、働く目的の一つに『誰かの幸せのため』を加えて精一杯働けるような人になりたいと、私は思います。