少し前の私には、これといった特技も、趣味も、特別好きなもの、そして将来の夢も無かった。自分の夢を持って、それに向かって努力している友達が羨ましかったし、その姿を見て焦りを感じる自分がいた。毎日をただ何気なく過ごしていた。それなりに楽しかったけれど何か物足りなさを感じていた。
そんな私の毎日を変えたのはある「漫画」との出会いだった。他の人から見たら何の変哲もない普通の漫画に見えるかもしれないが私にとっては、かけがえのない運命的な出会いだった。私はその漫画から将来の夢へのヒントをもらった。初めて「これだ!」と思える仕事を見つけた。その仕事について色々調べて厳しい現実も知ったけれど、私はあきらめずにその夢を叶えたいと思った。その夢とは「編集者」という仕事だ。私は雑誌、漫画、小説などを読むのが好きでよく読んでいて、本を読むと元気をもらったり、楽しい気分になれるので私も読む人に元気や夢を与えられる本を作りたい!と思った。でも私には漫画家になれるほどの絵心も、小説を書くほどの文才も無かったので半ばあきらめかけていたときに一つの漫画から「編集者」という仕事があると分かって、その仕事に就きたいと強く思った。初めてなりたいと強く思える夢を見つけた。
しかし、編集者について調べ始めて改めてその仕事に就くまでの大変さを知った。しかも私が勤めたい出版会社は希望者が多いのにもかかわらず毎年8人くらいしか採用してないので倍率が約400倍だ。しかし、その莫大な数字を目の当たりにして私のやる気はなくなるどころか、わくわくしてきた。確かに今の私では無理かもしれないけれど、数年後の私は手の届く所までその夢が近づいているかもしれない。そんなことを考えたら毎日が今までよりも楽しくなってきた。「夢は見るものじゃなくて叶えるものだ」今まで何とも感じなかった言葉がとてもキラキラした大切な言葉に思える。決して楽な道ではないけど、私は自分で決めた道を信じて夢を叶えたい。そしていつか人を変えるきっかけとなる本を私も作りたい。